好きだよ
そんなありきたりな言葉に飽きてしまった私は、いつものように満面の笑みで「好きだぜ」と言う魔理沙に冷たい目でみつつ「マンネリ」と伝えた。
「マンネリ?」
マンネリという言葉を知らないようだ。どれだけ馬鹿なのだろう。飽きれてしまうではないか。
はあ、とため息をついてマンネリという言葉の意味を教えてみると、マンネリという言葉を理解できた嬉しさと、マンネリと私に言われた悲しさがごちゃまぜになったのかダーッと涙を流し始めた。
「霊夢ぅ!私はこんなにも霊夢を好きなのに、愛が足りないのかあ?!」
「…そう言うところにマンネリするの。聞き飽きたの」
冷たく言ってみれば、ガーンッとショックを受けたようだ。涙を流しつつも体は動いていない。ぼろぼろ瞳からでている涙を拭いてやりたいと思ったが、私が言い始めたことだ。今さら折れるわけにもいかない。
だけど、捨てられた子犬のような目をしてくる魔理沙が…うう、もうしょうがない。
「魔理沙」
「…なんだよぉ"…」
グスグス泣いている魔理沙にそっと近づいて。にこりと微笑んでみる。
「好きよ」
ぴたり
涙がとまった。
本当か?と目を輝かせて聞いてくる魔理沙にはめられた。と思いつつこくんと頷いてみれば。周りに花を何個も咲かしているように。綺麗な笑顔をひとつした。
その笑顔が綺麗だ、と。思わずそう想ってしまったのです。
2010 09 06