それはまさに悪夢だった。
 霊夢が私を冷めた目で見てさようならと一言だけ私に言い、どこかへ行ってしまう夢。
 私は恐ろしくて目が覚めた後も隣で呑気に寝ている霊夢を見ていることしかできなく、正夢になってしまったらどうしよう、とふと考えてしまって涙が溢れた。

   ぽ
      た、
  り

 暖かな温もりを感じさせる布団に私の涙が零れ落ちる。
 嗚呼、怖い。霊夢が私をあんな覚めた目で見つめるのが怖い。別れを告げられるのが怖い。
 嫌だよ、霊夢と離れるのは。何でもするから私を見捨てないで、と霊夢にすがりつく私の姿が目に浮かぶ。
 プライドを捨てでも、私は霊夢と傍に居たいんだ。
 ぎゅうっと布団を掴んでどんな未来がやってこようとも、霊夢から離れないと誓う。
 だって、愛してしまったから。



 呑気にスヤスヤと眠っている霊夢をちらりと覗き見し、綺麗な寝顔だと思いつつも私は布団から手を離し霊夢の頬に人差し指をむにりと軽く押し込めた。


自己満足でいいから両想いと思わせて

2010 06 30
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