「霊夢」

最近、私が霊夢に呼びかけても返事をしてくれない。どうしてだろう、と思っても彼女は何も喋らないのだ。私はしょうがないから霊夢の傍に食べ物を置いて、博麗神社から自分の家に帰る。
次の日も、同じように遊びに来て霊夢に問いかける。だけど、やはり返事は無い。食べ物も食べないで、全く霊夢は。と思いつつ早くも腐りかけている食べ物を捨て、新しいものを霊夢の傍において帰った。
次の日は、何かと不運で霊夢の家にはいけなかった。その日は諦めて、霊夢はちゃんと食べているのか、いつになったら元に戻るかと考え、眠った。その次の日、急いで博麗神社へ向かう。

「霊夢!」

ぜえはぁ、と息を切らしつつ霊夢の元へ駆け寄る。そして、一度も触れたことの無い霊夢の頬に、触れてみた。とても冷たかった。まるで死人だった。いや、もう既に死人だった。
死後一月は経っているであろう霊夢は、所々腐り始めていた。そんな彼女のことを、私は恐ろしくとも後悔なども、何も思うことは無かった。

「霊夢。お前、死んでたんだな。私な、お前、好きだったぜ」

ただ、何故か涙がでた。


朽ちて行く。貴女が、私は気がつけなかった。(本当は知っていただろうけど、見えていただろうけど、真実を受け入れたくなかっただけかも知れない)


2010 06 19

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