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DRIVE【噴上】
裕ちゃんのバイクは好き。
エンジンの低い音がわたしの体の芯を震わせる。
裕ちゃんの腰に手を回すと、裕ちゃんの温もりを体全体に感じるの。
裕ちゃんと手をつなぐのも好きだけど、わたしはこうしてくっついてるのがたまらなく好きだ。
このまま家を通り過ぎて、遠くまでいきたい。
「……遠く、まで…」
「うん?」
「……ううん、なんでもないよ!」
家にたどり着いてしまうのが、とてもつらい。
このまま道が、ずっとずっとのびてしまえばいいのに。
思わず、腰に抱きつく手に力が入る。
はなれたくないよ。
ねぇ、裕ちゃん。
私の呟きは、エンジンの音に溶けてきえた。
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