テーマは束縛を嫌う右手と独占欲の左手。
シャンクスってキャラをいまいち掴みきれてない気がする。片想いさせたいけどヤンデレも似合うし、両想いでラブラブにさせたい気もする。
「レナ」
「なぁにシャンクス」
分かっているくせに彼女はおれにどうしたのと声をかける。投げ出されていた左手はおれの右手から逃げるように本のページをゆっくりとめくる。
「好きだ」
「私も好きよ、シャンクス」
そう嘯く彼女の視線は本に向けられたまま。
「おれを見てくれレナ」
その声はまるで雑踏のなかで母親を探す子どものように頼りない。
惚れた女の前では四皇の威厳もあったものじゃない、と頭のなかでもう一人のおれが笑った。
このシャンクスは完全な片想いシャンクスでベック←夢主←シャンクスっていう終着点のない不毛な一方通行。