※過去作品

へいわじまとおりはら。

(!)がっつり性描写有。処女作つらい。

お願いだからさ、


  言ってよ


  “  ”だって…−−−


酷くだるかった。“酷く”というのは過言かもしれないがこの表現しか出来ないほど体がもう悲鳴すら上げることなくただその疲れに従事しているように、多分指一本動かすだけで今の俺には叶わぬ夢。そう、言葉にすればもう…。虚しさだけが残る行為に何の意味がある。愚問だ。失笑だ。それしかないのは解っているが理由が欲しい。あったって無くたって何も変わらないのだろうけど何もないよりはマシだ。完全に脱力した筈の体を縮めてまた沈黙を繰り返す。そう、酷く疲れた体を癒すために必死に虚勢を張って何度目かも分からない自虐と自嘲した。自己嫌悪と自問自答しか織り成さない自分に自嘲しこの全ての事に自虐し、後悔した。

「何笑ってんだよ。気色悪ぃ…」

全身が微かに震える。呼吸が少しずつ乱れていくのが手に取るようにわかった。
頭の隅で警報が鳴り響く。「モウイヤダ」と俺の中の何かが悲鳴を上げた。
「…お帰り」
俺は内心必死に声帯を震わせ声を無理矢理押し出した。震えてはいなかったか。臆してはいなかったか。何てもう確認など出来ない。奴はいるのだ。もう。俺のすぐそばに。
欲望に駆られた獣のような下卑た笑みを浮かべる事もない。下種のように卑劣な行為をするのでもない。ただ残酷に冷淡な笑みを浮かべながら否定の言葉を耳元で囁き俺を侵食し蝕んでいく。
「さぁ、今日も始めるか なぁ? 臨也」
脱力した体を無理矢理起き上がらせそいつは自分の膝の上に俺を乗せベルトを外していく。
「なぁ、お前は何で人間に愛されないんだろうな。」
ほら、始まった。もう何回目か分からないような質問に俺は小さく苦笑した。
「…さぁね、」
下着類は全て脱がされ自身を裸にされる。俺は羞恥で頭を煮えたぎらせ悔しさに唇を軽く噛んだ。それがわかったのかそいつは俺の自身をひやりとした冷たい手で握り上下に扱き始めた。
「じゃぁ 質問を変えてやる。 手前が人間を愛すことには何の意味がある」
扱かれているうちに先端が濡れ始め、厭らしい音を部屋に響かせた。濡れた自身に指をいっそう絡めクスリ、と笑っていた。俺はその快感に眉根を顰蹙させ自身を直接扱かれる快感と耳元で囁かれる呪いの言葉に不快感を感じる事しか出来なかった。
「ん… ぁあ あ… やめ、 ぁ ああっ …」
羞恥に染めた頬を艶めかしく舐められるゾワリと腰が震え自身の質量を増してい
くのがわかった。根元の膨らみを揉まれ裏側を焦らすようになぞり、先端にたどり着いたかと思うと爪の先で軽く引っかかれ喉の奥から僑声が漏れる。
「あぁっ …やだ、 離して… っく…ぁ」
何度声を押し殺そうと唇を噛んだとしても快感に溺れかけている躯は俺の理性を簡単に崩し甘い吐息を漏らさせた。
「聞こえねぇなぁ…。 こんなに感じてるんだから 本当はイイんだろ? 違うか?」
汗ばんだ喉元に歯を立てながらくつくつと愉しげに笑った。俺はそれを見て俺もこいつと同じような事をしてきたんだな、とひたすらまた自己嫌悪に囚われるような事を考えていた。
「んんっ… 違っ… あぁ ア …っ」
本当は嫌なのに“嫌”という否定の言葉を飲み込まされ喘ぎ声しか俺の口からは出なかった。
「何がちげぇんだ? 言ってみろよ」
言えないことをわかっているクセに挑発的に耳元でまた囁く。また自身では絶え間なく快感を与えられもう限界まで達していた。
「ひぃ あぁぁ… もう、離してぇ…っ 」
「何だ イキそうか? イケよ。」
またさっきよりも大胆に手を動かされヒクヒクとだらしなく先端から蜜を零していく。もう駄目だと諦めた俺は止めろと懇願する事を止め、ただ快感に従うことになってしまった。
「うぁ… ぁああっ」
最後に腰を大きく震わせ呆気なく俺はそいつの腕の中に白濁を出した。出した後の脱力感に頭をぼぅ、とさせ息を整える。だがそいつは達したばかりだというのにその場に俺を押したおし、また自身を掴み今度は強弱をつけながら扱いた。
「さぁて… お前の次は俺だよなぁ? 臨也君よぉ…」
ローションの入ったボトルを取り出し、慣れた手つきでその中身を指にたっぷりとまぶすと自身を扱いていた手を離し、片方の足を強引に折り曲げてきた。
「な、に… ひぃ あぁ っ やぁ…」
ひやりとした指先が窄まりに触れびくりと腰が跳ねる。ローションを執拗に塗り込めるようにぬるぬると撫でゆっくりと指を中に推し進めた。そのむずかゆい感覚に歯を食いしばるがやはり躯は素直で喉からは相変わらず甘い吐息を漏らした。
「やぁ… そこ やだ…って んんっ…あぁ」「あ? ここか?」
嫌だというのにそこをグリグリと押し円を描くように動き固く閉ざしていた場所を揉みほぐしていった。
「やだ… あぁぁっ あ、はぁ、 」
いつの間にか指を二本に増やされていて動きをかき回すの出はなくそこを一方的に責めるような抜き差しへと変わっていた。中ばかりを弄っていたせいか自身の
のほうも勃ちあがり雫を零していたもう片方の腕でまた自身を掴みまた刺激を加えていく。躯の奥にあった疼きはいつの間にか大きくなり、躯中を蹂躙した。
また限界が近付き二度目の絶頂を迎えようとしていた。
「あぁ、 ん…、 も、だめ…あぁっ」
達してしまいたいと心の中で切願するが静ちゃんはずるり、と二本の指を俺の中から引き抜いた。俺は達してもらえなかった虚位に口を歪ませたが次の瞬間指よりも倍の質量と熱を帯びたモノが入り口に当てられる。それを理解した俺はゴクリと生唾を飲み込み軽く目を瞑った。静ちゃんは俺に瞼にキスを落とし両足を押さえ 一息に俺の体を貫いた。
「あぁぁぁっ!」
僑声。いや、悲鳴にも近い声を上げ生理的な涙が頬を伝いシーツを濡らした。
脳天を貫かれたような感覚に目の前をチカチカと白がまき散らされた。穿たれた楔に粘膜がねっとりと絡みつき貪欲に快感を求めた。
「…は、いい具合に締め付けやがって 本当淫乱だなぁ、手前は」
「違っ あ、 ぁああっ は、 ぅぁあ」
両膝を胸につくまで折り曲げられ、強く突き上げられた。体重を掛けられると静ちゃんのモノが奥に当たりまたいっそうの快感を生み出す。
「手前ぇ…っ あんま締め付けんじゃ、ねぇ…」
緩やかに揺らされ中はまだ貪欲に快感を求め淫猥に中を柔らかくし静ちゃんのものを受け入れる。激しい律動をされれば粘膜が絡みつき厭らしい水音と共に狂うような快感に躯を侵食される。
「ん、もぅ イきた…い ぁぁ、」
さっき達してもらえなかった自身は先程より質量を大きくさせていた。「あぁ、 は、」
あぁ、ヤだなぁ。気持ち悪い。物凄く気持ちが悪い。何で俺が静ちゃんとこんな意味のない行為を繰り返さなくてはならないんだ。恋人でもないのに。別にセフレって訳でもないのに。虚しい、空しい。ねぇ、こんな事をして何ができるの? 子供? 勘弁してくれ。君がいくら俺の中に出そうとも俺に子供なんて産めやしない。じゃぁ何、これ。 あぁ気持ち悪い。愛じゃないよ。愛じゃないなら何だ。君は何で俺を抱く。何で? どうせ理由何て無いんだろ? 知ってるよ。解ってるよ。期待なんてしてないよ。してはいけないんだ。もう疲れた。無意味な行為。理由のない感情。 結果がないならそれを補うものは何? じゃぁ俺達は“何なんだ”
君が俺を好きだと言うならば俺は君の気持ちに応えていたのだろうか。こんな歪んだ感情持たなくても済んだんだろうか。

嫌に なる 君も 俺も。

反吐が出る。虫酸が走る。何に? 誰に? 答えなんてとっくにでてる。だけど言わない。去勢張って子供のように虚栄していればいい。期待なんかしない。

だから、 だから


お願い


その残酷で冷酷な笑顔のまま


俺に告げて欲しい。


この無意味な行為の終焉に


この矛盾した感情の終幕に


低く、深く 躯に行き渡るような声で

















“大嫌い”って言ってほしい
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