story 2

リズの苦悩

レオン
「それでは、サデュレータの件について、定例会議を行う」

コーデリア
「んー……この紅茶、いい香り。また素敵なものを見つけて来てくれたんですのね、綴」


「ご主人の好みそうなブランドを当たってみて正解でした。喜んでくれたなら何よりです」

コーデリア
「ますます貴女無しでは生活出来なくなってしまいそう」


「私としては、そうなって頂いて一向に構わないのですがね」

コーデリア
「まあ綴ったら。ふふふ」

レオン
「……まあ。いつも通り。いつも通りと言えばいつも通りだよな、リズ」

リズ
「はい、いつも通りです」

フェリーチェ
「うわぁ、このクッキーリズが作ったの?素敵ね!一つ貰うわ!」

リズ
「フェリーチェ・アスタリータ!!意地汚い上に今は会議中です!」

フェリーチェ
「一つくらいならいいじゃない。リズのケチ」

リズ
「け、ケチって何ですか!」

レオン
「なあ、お前ら……まともに会議しようとは思わないのか?他でもないサデュレータの事件についてだぞ……」

フェリーチェ
「悪かったわね。サデュレータも追いたいけど、今の私の興味はクッキーなのよ」

レオン
「仕事と興味を比べるな!ついでに比べた結果興味を取るな!!」


「カブトムシなのだー!かっこいいっ!!」

フェリーチェ
「見て、レオン。刻も興味を取ったわ」

レオン
「っここは……犯罪係じゃないのか……?こんな奴等が犯罪係でいいのか……?」

リズ
「だ、大丈夫です、レオン。僕はきちんと話を聞いています……!」

レオン
「リズ……!!俺にはもうお前しか頼りにできねぇ……!!」

リズ
「協力して、サデュレータを追いましょう……!」


「うわぁん!楪が椛の紅茶こぼしたぁ!」


「ごめん。手がスベッタ」

レオン
「テメェ楪……俺の椛に何してやがる……!」

リズ
(僕は一瞬で仲間を失った……だと!?)


「うわぁん、レオンー!楪ったらいつも椛をいじめるの!」


「貴方の椛だから、いじめるんだよ」

レオン
「テメェ……!おい、フェリーチェ!!お前の属霊だろ!きちんと躾しとけ!!」

フェリーチェ
「え?ユズの何が気に食わないのよ。今のままで素敵よ、ユズ」


「貴方に言われることは何もないね、レオン」

レオン
「クッソガキ……!歯ぁ食いしばれ!」


「属霊ですから当たりませーん。そろそろ僕のフェリーチェ返してよ」

レオン
「お前のじゃねぇよ!」

フェリーチェ
「え?私はユズので、ユズは私のだけど」

レオン
「気持ち悪ィな!!そこの歪んだ関係を今すぐ正してやる!」


(紅茶を飲みながら様子を見ていたコーデリア達)



「止めますか?ご主人」

コーデリア
「そのままで構いませんわ、綴。賑やかで楽しいじゃないですか」


「そうですか」

リズ
「いや止めましょうよ、貴女副係長でしょう!?」

コーデリア
「ぶっちゃけ言いますと、副係長なんてやりたくなかったんですのよ」

リズ
「ぶっちゃけすぎだろ!もういい、刻!!」


「今度はクワガタなのだー!」

リズ
「…………何故、僕の属霊が貴方なのか心底神様に問い質したい気分です」

レオン
「だいたいお前らはベタベタベタベタ……!引っ付かないと生きていけないのか!?」


「そうだー、そうだー!!レオンもっと言っちゃえ!!」


「生きていられないよ!当たり前じゃない」

フェリーチェ
「今更ユズ無しの生活はちょっと考えられないかしら……」

リズ
「拝啓、ユースティリア人事部様。有能で会議の出来る上司をください。出来れば、後輩と喧嘩しない、大人な上司をください」




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