29短編/SS | ナノ


▼ トライアングラーガール:悪魔将軍

元ネタ主

サタン様チッース。オヒサでーす。あ?監視?ええ、ええ、順調ですよ。ジュンチョー。まだアイツらサタン様が思う程、力つけてる訳じゃないですし?そこまで警戒しなくてもいいんじゃないっすかねーみたいな?…はい?それはおれさまが決めること?そっすねー。そうでしたわー。…はいはい。今まで通りっすね。りょーかーい。んじゃ。

ガチャリ

黒電話の受話器を置く。何時も決まったサタン様への経過報告だった。

「マジサタン様めんどくせー」

サタン様は色々訳あって動けない身、それをある程度サポートするのが私の今の仕事だったりするんだけど。もう、介護。補助じゃなくて介護レベル。私に介護無理だからー。私にお爺ちゃんお婆ちゃん介護させたら翌日新聞の小さな一面に載るかもしれないくらい無理だから。

「てか割り合わないんだよ」

こっちは日頃から悪魔超人達に謂われない暴力を受けながら監視してるっつーのに。やれ封印解けだの監視だの報告だのあわよくば抹殺だの我が儘ばっかり!アルバイトに高度な要求してんじゃねーっつの!そんなもん、正社員に頼めや!悪魔超人達をおちょくってないとストレスで死ぬね!

「いっそ転職しようかなー」

チーズ蒸しパンに転職したい。美味しいよね。チーズ蒸しパン。凍らせるともっと美味いだぜ?万能だよ。チーズ。そうだ。今日は熱々のチーズの池にアトランティス落として未来で流行るアトランティス風チーズフォンデュにしてやろうか。それともバッファのカツラに溶かしたブルーチーズを塗りたくって瞬間接着剤で地肌直接くっつけてやろうか。悩む、悩むわー。あ、でもバッファは前に納豆で似たようなことやったような?あん時は本気で私を殺しにきてたっけー?本当に悪魔超人って器小さいよね。

「サタンへの報告は済んだようだな名前」

振り返ると将軍様が仁王立ちしていた。あれ?ここって私の部屋なんですけど。

「え?何当たり前みたいにこの部屋にいるんですか将軍様。セクハラで訴えますよ」
「フン、相変わらずふざけた奴だ。貴様は」
「ふざけてねーし、今真面目モードだし!」

てかサタン様のスパイって普通にバレてる〜!とかなりません。前々から将軍様にも話してたしね!監視するにあたって挨拶って大事じゃん?勝手に監視とかして変態って勘違いされたくないし。私はガチモリ筋肉達磨共に興奮できるほどサタン様みたいに変態になれないよぅ。私の体型の好みは細マッチョなんで。そういう意味じゃあステカセキングはいい線いってるよね!今度口説くついでにカセットテープを全部天日干ししてやろう。何て気遣いが出きる奴なんだろう私は!良いお嫁さんになれるね。デュフフ

「でも珍しいですね将軍様。わざわざ私のところに足運ぶなんて。どういう心境の変化っすか?」

最初に挨拶した時は訝しげな眼差しを送ったあと、興味がない。好きにしろと言ってまるで干渉してこなかったのに。まぁ、この人結構気紛れなところあるし?とか思わないな。くそ真面目野郎だものね将軍様は。生真面目天然記念物。最近、ジョークに目覚めたけど根っこは愚直だもんねーお師匠さまとご一緒で。

「サタンの下らん企みには興味はない。私が気になるのは貴様の存在だ」
「ドキッ!ま、まさか将軍様!私の事が?え、嘘。でもごめんなさい!将軍様って私のストライクゾーン大幅に反れてるんですよね!だから貴方の投げ掛ける好意は全てボール!肩の調子戻してマウントに立ってください!あっそれとバッテリーは信頼関係が第一なんでちゃんとキャッチャーと仲良くならないとダ、メ、だ、ぞ(ハート)」
「貴様は何者だ。超人でもましてや人間ですらない。神の類いかと思ったが…」

無視かよ。真面目なだけにノリわりーな。それにしても将軍様の視線は鋭い。懐疑の眼差しは常日頃であるがド直球に聞き出そうとするとは如何なものか?

「私は人間ですよ。本人が人間って言ってるんだから人間でいいじゃないですか。別にそれはいいとして将軍様、貴方はやることが山ほどあるだろうに私にかまけて良いんですか?」
「フ、それこそ余計な気遣いだな。お前らしくもない」
「気遣いって言うか事実なんですけど。私はそんな不安要素に見えます?安心しろとは言いませんがおたくらにちょっかいかける気はないですよ?」
「今の所は、か?」

うわー、信用ねー。これがHIGORONO・OKONAIかっ!将軍様だけじゃなくてサタン様にも実は信用されてねーけどな!サタン様も私の存在に疑問持っちゃてるからやんなるな。お前ら似てるよ!お似合いのカップルだよ!流石、肉体関係結んだ二人のシンクロ率は違うね!お陰でこっちは仕事しずれー!だいだい、自分のせいだけどな!だってコイツらおちょくるの楽しいんだもん!

「つーか知ってるでしょ?私は強くねーんだよ!この体を見て!筋肉のきの字もないでしょ!か弱い女の子!おたくらどうこうできるpower無いんですよ!あったら悪魔達のフェイバリット華麗に避けてるの!」
「だが貴様は生きている」
「そう言う人間もいるんです。新種ですよ!スゲー発見じゃないですか!」
「…まぁ、いいだろう。貴様が何者であれ私の邪魔をすれば潰すまで」
「はいはい。そうしてください。じゃ、この話はこれで終わりっすね。終わったならここから出てってくださいよぅ。乙女のお部屋を何だと心得てやがるんですか?だからアンタ子孫できねーんだよ」

目が覚めたとき、私の部屋は真っ赤になってた。邪魔してないのに潰されたんですけど。マジ悪魔って器ちぃせー。てか気にしてたのかよ。子孫できなかったの。



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