18禁です。セックスしてるだけ注意
・モブ男(社会人)と垣根がセフレ
・垣根がぐだぐだのビッチ


















「ん……」
垣根帝督は遮光カーテンの隙間から零れる朝日で目を覚ました。自室の窓はブラインドであることから、寝惚けた頭でも即座に、自分が今寝ているのは他人の部屋だと知る。
そして深く溜め息を吐く。自分のことながら思わず呆れた。

(…もうやんないって決めただろ、俺……)

決して心地好くない微睡みの中、現実を拒むようにまた重い瞼を下ろし寝入ろうとする。と、それを妨害するように背後から腕が回され、ぎゅっと肩を抱かれた。

「おはよ」
「…」
垣根は黙っていかにも値の張りそうな肌触りの良いシーツをぐいっと引っ張ると、自分に抱きつく男と距離をとろうともぞもぞ動いた。
「なに?ていとくんご機嫌ナナメ?」
「そのよびかたやめろ、ころす」
物騒な字面とは対称的に、その声はまるで年端もいかぬ子のように呂律が回っていない。
男は腰を掴んでグッと後ろに引き寄せると、そのまま身体に回した手で腹や肩などを撫で出した。
ゴツゴツとした大人の手が、まだ十代のすべすべとした肌を舐めるように這い回る。垣根はおぼつかない感覚のまま、くすぐったさに身をよじった。
「んぅ…」
上から自分の手を重ねやめさせようとするが、寝起きで全くと言っていいほど力が入らず、手はそのままストンとシーツの上に落ちた。
無力すぎる抵抗虚しく、男は執拗に腹や腰を触り続け、散々焦らしながら胸の突起に触れた。
「……っ」
寝起きで刺激に弱くなっていた身体がびくっと震える。その反応を見て、男は満足そうに耳元で囁き、乳首を摘まんだり擦ったりして執拗に刺激した。
「……ん…っ」
「…ホント乳首弱いよなぁ」
「っざけんなよ…」
全くもってそんな気分ではなかった垣根は、首を大きく横に振りそれを拒もうとした。大きな枕にばさっと、傷んだ髪が広がる。薄い色のそれは差し込む朝日を受け、薄暗い部屋の中でキラキラと光った。男はそれを優しく梳かすように、大きな手でゆっくりと撫でた。
「なんで?いいじゃん」
自分より少し背の低い少年の髪に顔を埋め、首に手を回す。少しだけ、流行りの整髪料の臭いがした。

「学校だって別に行かなくてもいいんだろ?優等生サマなんだから」
確かに今日は平日で、学生は朝から学業に従事しなければならないはずだ。自分たちのいる部屋がこんな無駄に高い階になかったのなら、きっと外からは部活動等で早めに登校する学生たちの声や慌ただしい物音が聞こえていたことだろう。
しかし彼はこの学園都市で第二位の能力者という類い稀な地位にあり、一般的な学生とは確実に扱いが違った。
「まぁ別に学校なんか行かなくてもいいけど、そういうことだけじゃねぇし……っおい、どこ触ってんだよ…っ!」
「朝勃ちしてんの、若いなー」
垣根が会話に気をとられているうちに、男は垣根の下半身に手を伸ばし、その骨ばった腰や太股を撫でると、寝起きで生理的に固くなっている性器を触っていた。
「や…ぁ、や…めろさわんな…!」
不意打ちに慌てながら、咄嗟にその手を止めようとするが、起き抜けで動作が鈍いばかりか必要以上に敏感になった身体を玩ばれている彼に、それを阻止する術はなかった。
男は裏筋をなぞり、執拗に愛撫を続ける。最初は半立ちだった性器も、その手に耐えかね完全に持ち上がり先走った精液で卑猥に濡れていた。

「お前えろすぎ…朝っぱらからどんだけ感じてんの」
「はぁ…っ?だれの…おかげだよ……この変態野郎っ」

理不尽すぎる流れに、思わず瞳を潤ませながらも、垣根は必死に悪態をつく。このまま相手のペースに持っていかれるのは悔しかったが、最早この状況を拒んでいるのは口先だけだった。

「その変態野郎相手に昨日あんなに喘いでたのは誰だっけ?」
男は満足そうに笑いながら、手の律動を早めた。

「あ…あぁ……ふぁ…っ」
今にも絶頂を迎えそうなほど追い詰められ、もう何も考えられずただ快感に身を沈めた。
すると、男の手が突然止まった。
「…ぁ…?」
垣根は思わず振り返り、初めて男に向き直った。男は顔をニヤつかせながら、そ知らぬ素振りで枕元の煙草を探る。
「い…きなりやめて…っんだよ!おい」
「だってお前やめろって言うから」
当然のように答える男に垣根は返す言葉もなく、ただ小さな子どものように顔を膨れさせると男の胸に顔を埋め、いじけたように頭を擦り付けた。
「責任…とれよぉ…」
「…そんなにイきたかったらおねだりするか自分でやれば?」
男はそんな様子を下目に見ながら、のんびりと紫煙を燻らせた。
つまらないプライドとつまらない性欲の間で葛藤していた垣根だったが、とても今の状態で引き下がることは無理だと解し、意を決して男の腕を掴んだ。

「…おねがいだから、最後までシて」
羞恥で顔を真っ赤にしながら俯く垣根の顎を掴み、無理矢理上を向かせた。普段はとても近寄り易いとは言えない目つきの悪い瞳が、涙を滲ませながら物欲しそうにこちらを見上げている。男はひとしきり優越感に浸ると額に優しく口付けた。

筋張った足を持ち上げると、昨晩使ったローションの残りがとろっと穴から溢れた。それをすくうと、そのまま指を入れて入口を軽く慣らし、十分に固くなった自身の性器をそこにあてがった。
垣根は当たり前のように両腕を男の首に回す。そんな分かりやすく媚びた動作も、男は嫌いではなかった。自分がまだ若い彼をここまで堕としたことを考えれば、それは征服の証明とも言えたからだ。

「は…ぁ…ぅん…っ」
まだ十分に解しきっていないそこに性器を挿入すると、少し苦しそうに足を震わせて受け入れた。
乱れた呼吸に合わせて小さく上下する白い腹を見ると、多少大人っぽくは見えてもやはり年端も行かない学生であることをつい思い出さずにはいられなかった。

「ん…はぁ……はいったぁ?」
「…う、ん」
ゆっくりと中で動かすと、よっぽど我慢していたのか、内壁を擦る度にびくびくと身体を震わせて快感に喘いだ。

「あっ!あぁっ…おくっ…あっ」
「ここ、すきでしょ?」
「んはっ…あっ…あぁっ!…う…んっ!」
奥の方を突くと一段と嬌声があがった。
「もっと、えろい顔、してみ」
自らも細い腰を必死に動かし、快感に溺れている様は、そこらの下手な女よりもずっと扇情的に映った。
「あぁっ…!あっ、あっ…」
「…いい?」
「うん…イイ…あっ…そこぉ……あっ…もっ、とぉ…!」
「お前のっ、そういうとこ、だいすき」
垣根は虚ろな目で惚けたように相手の名前を呼び続けた。男も耐え切れなくなり、動きを速める。

「あっ…ああっ…あっ、だめっ……あっ…あああ!…あはぁっ…」
「……っ」

腹の上に薄く白濁した精液が吐き出された。それにやや遅れて、男の方も中で達した。

静かな部屋に荒い息遣いだけが響く。
カーテンの隙間から白く新しい光が射し込み、薄汚い二人の関係を皮肉のように照らし出していた。

「学校どうすんの?」
乱暴に頭を拭きながら浴室から出てきた垣根に向かって、まだベッドの上で寝転がる男はシャツを投げつけた。
「…今から行く」
「送ってこうか?」
「おいおい、俺だって一応、この学園都市に君臨する第二位なんだぜ。男に送ってもらって登校なんざ…」
「スキャンダル?」
「バァーカ」
意地悪そうに笑いながらベッドに腰掛け、制服を着始めた垣根に、男は名残惜しそうにキスをする。
「んじゃ適当にタクシー呼んどくわ」
「サンキュー」
鏡を見ながら髪を整え、ジャケットを羽織ると垣根は何事もなかったように部屋を後にした。

「また連絡する」
「…」
無言の背中はイエスの返事だろう。男はそれを見届けるとまたシーツに潜り込み、先ほどまでそこに寝ていた第二位の少年の残り香を感じ、眠りについた。
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