わたしが蘇ったのは真夏の夜でした。
いわゆる熱帯夜と呼ばれる蒸し暑く、誰もが冷房をつけたくなるようなそんな夜に、わたしは意識を取り戻したのです。
歓喜に震え涙が出たのを覚えています。わたしの指、わたしの足、わたしの内臓、わたしの肺、わたしの脳神経、わたしの心、すべてわたしのものと思えば思うほど、その感情は大きくなりました。
二本の足で立つと、星が目に入りました。わたしの眼球は正常に見えているし、後頭葉はしっかり働いている。
ああ、生きていてよかった。
生きていて、よかった。

わたしはそのまま眠りにつきました。朝焼けにつつまれて、自然とまぶたが上がるまで。

へそまがりに生きてやろうと思いながら。


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