一人でとる食事。
一人でとる睡眠。

それが当たり前。


「に、なっちゃんだろ…」


少し前は“二人”だったはずなのに。





仕事の都合上、生活が不規則なのは仕方ないというか当たり前である。睡眠時間はまちまちだし、食事も時間にきちんと取れない事もしばしば。酷い時は軽く3日くらいの徹夜と断食(は言い過ぎだが)があったりするのだ。
(その後のみんなの事といったら…酷すぎる)


そんな生活リズムの中でも1日1回は二人で食事をし、寝る時と起きる時の挨拶は必ずしていたのに…。





「なんでこんなに遅いの…」


否、理由は知ってる。でもそんな事知りたくもなかったし、して欲しくもなかったのに。

帰ってくるたび違う香水の香りがする。と、いう事はそういう事なのだろう。
最初はショックと怒りで無視して寝たふりをしたけど、それが頻繁になってくると今度は怖くて寝たふりをするようになった。“おかえり”や“おやすみ”と共に聞きたい、けど聞きたくない事を聞いてしまいそうで。



現在午前2時過ぎ。
この無機質など部屋に、カチャリと扉の開く音がした。ああ、彼が帰って来たのだ理解したがやはり心は追いつかない。背中を向けている方のマットレスが微かに沈む。




恋 愛 未 遂






隣に貴方はいるのはずなのに
ベットの中が酷く寒く感じた。







御題『壊れゆく10題』より
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