時間が止まった、気がした。
混乱した頭でいくら考えてもまともな答えなんて出るはずもなく。とりあえず…目の前で妖艶に微笑んでいるコイツに聞いてみようと思います。
「グリーンな、にを…」
「いつまで経っても一歩踏み出してくれなかったし」
「…何が起きた?」
「俺、結構待ってたけど?」
「すみません。会話して頂けないでしょうか」
さっきまで随分と楽しそうに笑ってたじゃねぇか。急にシュンとするんじゃねぇ。
「だから今、何をしたぁ!!」
「え?俺に言わせたいのか?」
「やっぱいいです」
てことは、やっぱりさっきの事は私の妄想ではないのか。妄想のわりにはリアルだったもんね。立ちながら一緒意識が飛んでたかと思ったんだよ。だって、コイツの顔のドアップとか、コイツがつけている香水の香りが何時もより強く感じたとか、やけに暖かく柔らかい感触とか、吐息とか。
……………主に唇に。
「ナマエ顔真っ赤」
「一々口にするな!バカグリーン」
あぁああぁぁぁ!!
うわー恥ずかしい。今すぐ恥ずかしさで死ねる。それこそぽっくり逝けそうだよ。
「そんなんで人間は死なねぇよ」
「プライバシーの保護シテクダサイ」
お前は顔に出てんだよ、なんて綺麗に笑うグリーンにドキリとした。顔は綺麗な作りしてるもんね。この笑顔だけに今まで何回ときめいてきたか…。(クソッ)
「いつ告白してくれんのか楽しみに待ってたんだけど」
「え…」
ミルクレモンティーの憂鬱
(爽やかな酸味の中の仄かな甘味)さっさと帰るぞ、なんていつものように振る舞うグリーン君が憎いです。でも、耳が赤いのは夕陽だけのせいじゃないって思ってもいいかな?
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透徹