「もうこんな時間」
お喋りに夢中になって、気が付けば空は茜色に染まり東の空はもう暗い。自然公園の池の周りをゆっくり散歩している最中だった。
「もうそろそろ帰らないとな」
同じように空を見上げたグリーンがぽつりと呟く。私はぎゅっと手を握った。
「どうしたんだよ」
「……………い」
「帰りたくない」
グリーンの腕に縋るように抱きついた。どうしてこう楽しい時間は早く過ぎていくのだろう。
「ナマエ帰ろう」
腹減っただろ?といつものように笑うグリーンになんだか安心してしまった。彼は分かっていたんだ、私がほんの少しだけ不安になってたことに。
「じゃあ今日は素麺ね。簡単だし」
「…もうちょい手の込んだ物作ろうぜ」
早 急 に 過 ぎ る 時 間
「仕方ないな、奮発してざる蕎麦ね!」
「あんまし変んねぇよ」
貴方と過ごすから尚更かな。
企画『
freesia』様に提出します