青山優雅


やはりヒーローであるからには、どこかずば抜けていないと駄目だと思う。すごくルックスがいいとか、すごく賢いとか、すごくアホだとか、すごく強いとか、何かがすごく上手いだとかそんな感じで。“個性“があるからか、基本的にみんなどこかしら個性的だ。それはヒーロー科ならずば抜けてそうに決まっている。例えば、彼はすごく変わっている。

「どうしたんだい、マドモアゼル。そんな見つめられたら、穴が空いてしまいそうだよ」

青山優雅くん。ほとんどの人は単純明快とは言えど、何人か読めない人がいるが、彼はその筆頭である。A組に振り分けられてから数ヶ月。彼のことだけはわからないことだらけだ。正直、わからない方が面白い気がする。

「わかるよ。僕も、僕が美しすぎてずっと見ていられるからね☆君もそうなんでしょ?」
「んー、まぁ、うん。それでいいや」
「いや諦めんなよみょうじ…」

近くで談笑していたらしい切島くんが後ろで突っ込んだが、今は気にしないでおこう。青山くんって、本当に不思議な人だ。個性である「ネビルレーザー」は、こう言っては何だが、そこまでかっこいい個性とは言えない。誰にだって個性に欠点はあるものの、彼の場合それは大きなものである。それなのに堂々と、しかも雄英にまで受かっているのだからすごい話だ。体育祭ではそんなに活躍はしていなかったけど、2回戦で敗退した私とは違い、一応3種目すべてに出ているのは素直にすごいと思う。

「まぁ、見てて飽きないよね。ずっとテレビに映ってても嫌じゃないっていうか。そういう意味ではフォロワーになってもいいかも」
「僕のファンクラブで、ナンバー2にしてあげていいよ。」
「ナンバー2?1番は違う人?」

別に1番じゃなくても悲しくないんだけどね。

「ナンバー1は、僕だからさ!」

めちゃくちゃキメ顔で言われた。青山くんは、爆豪くんとかとは違うベクトルで、自信満々で素晴らしい人だ。そこら辺は見習いたい。……あれ。

「じゃあ実質的には私がファンクラブで、ナンバー1なんだ。やった」
「みょうじさんは特別だからね。ふふっ☆僕の活躍を楽しみにしててね!」

やっぱりおもしろい。そうだなぁ、テレビに出たらおもしろそうだから、DVDとか出たら買うぐらいにはファンになってあげていいよ。