蛙吹梅雨


クラスメイトの蛙吹梅雨ちゃんは、何もかもが可愛い。名前からして可愛いし、仮初めにしてもほぼ決定らしいヒーローネームも可愛いし、コスチュームも可愛い。たまに「ケロ…」って言う言葉も可愛いし、出している舌も可愛い。くりくりっとした目も好き。仲良くなりたい。ぜひとも仲良くなりたい。でもなぁ、何て話しかければいいんだろう。上鳴くんみたいに馴れ馴れしく声をかければいいんだろうか。「蛙吹さん何好きなの?一緒にご飯行かない?」って?バカみたいじゃない?

「私はゼリーが好きよ」
「ひえっ」

びっくりしすぎて心臓が飛び出るかと思った。蛙吹さんは、「驚かしてごめんなさいね」と謝ったが、私がノミの心臓なだけだから心配しないでほしい。まさか私口に出していたのか、恥ずかしい。遠くの方で「みょうじひでぇ!」と上鳴くんの声が聞こえた気がしなくもないが、まぁ別にいいだろう。

「梅雨ちゃんと呼んで」
「つ、つっつつつ梅雨ちゃん…!」
「なまえちゃん、緑谷ちゃんみたいね」

わ、私なんかが梅雨ちゃんとお呼びしてもいいんでござろうか…!!軽くパニックになった。このままじゃ気持ち悪いと思われかねない。せっかく、つ、つつ、梅雨ちゃんの好きな食べ物がわかったのでそっちに話を戻そう。

「ゼリー美味しいよね!私果肉入りのが大好きなの!」
「ナタデココが入っているのもオススメよ」
「今度買ってみる!!そういえば、あじさいゼリーっていうのが中学の給食で出たことあってね…!」

ありがとうゼリー!サンキュー、ゼリー!もう梅雨ちゃんとゼリーの話で盛り上がって、私は憧れの梅雨ちゃんとたくさん話せてすごく幸せだった!!帰りにゼリーを買って帰ろう!ナタデココ入りだ!