「サークルの勧誘すげーな」
「大学ってこう言うもんなんじゃね?」
「サークルなんて入る気も暇もないけど」
「単位落とさないで卒業するだけで十分かな」
「余裕だろ」
「困ったら高木先生に頼るわ」
「任せとけ」
「……ん?」
「うん?」
「……、シュージン、あっちの方行こうぜ」
「え、何で? 講義室の近道こっちだろ?」
「カップルがいたんだよ……その、いちゃつきすぎな感じの」
「え、マジで? 外なんかでよくやるなぁ」
「でも人目に付かない場所だとは思う」
「だからってなぁ」
「まだ時間あるし、近道通らないで行こうぜ」
「うーん……人目に付かないんだったら……」
「シュージン」
「でも外はなぁ……」
「シュージン……今何考えてた?」
「……え?」