くるり、くるり | ナノ


▼ くるり、くるり。8

くるり、くるり。8



夜の見廻りをしていた。
少し頭を冷やす事が出来た。

俺は、彼奴に惚れていた。
嫌、今も惚れている。
(伝える事は、一生ねぇ、か)


"そして、剣を持ったその時に鬼となれ…ー。"


また俺は、同じ事をするのか、
彼奴と同じ事を、情けねぇな。

闇よりも深い、光には程遠い、
さぁ、舞い上がり、
くるり、くるりと踊れ。

「あっ土方君じゃん、」

銀色の白い彼奴、あの時からずっと
本当は、お前は俺と同じだったんだな、だから俺を見てあの時、哀しい眼を俺に向けたのか、
やっと分かったぜ、







「銀時…お前には色々借りがある此で仕舞いにしようや、」

「はっ?」

カチャ…ー
"ぶわぁぁ…ん、カキン"

(さぁ…鬼となれっ…さぁ、)


喧嘩の殺し合い、
勝つ自信は、きっとねぇ。
けど、負ける自信も更々ねぇ。
(なぁ銀時、)


「な、何すんだ、いきな、」
「俺とお前の最後の…殺し合いだ…

鬼の白夜叉さんよぉ…」
「ぁ…土方…知ってたの…っ?」






長い時間剣を交わした。
でも彼奴は、哀しい表情のまま、
俺の剣を無駄のない交わしを続けた。
その眼は、あの時の初めて会った日の眼に良く似て、俺の頭にチラついてくる。

(やめろ、その眼をやめてくれ、)

どうしてだ、早く舞え、
くるり、くるりとあの舞いを見せてくれ、そしたら、俺はもう後悔なんかねぇよ。


そして、俺は最後の力を剣に込め勢いよく銀時の後ろへ回り頭を剣で突き刺した。









そしたら、彼奴は俺より早くもう
俺の後ろへ回っていたんだ。
初めて間近で見た、あの華麗な素早いまるで舞いを踊っているような彼奴の戦いに、


俺は一筋 目から涙を流していた。






「土方…君、」











死ぬ、後悔なんかないと言った。
(黒猫が、最後に言った。)




























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