くるり、くるり | ナノ


▼ くるり、くるり。5

くるり、くるり。5




くるり、

くるり。



世界は、

回った


そして、

僕らは、


終わりを告げた。









四人の仲間は、
それぞれ、
背中を向けて、旅立ったんだ。

そう願ったあの日から、
俺は、夜叉の名を捨てた。

"白夜叉"とかつて恐れられていたとしても、
気にせずに、
生きたいように、生きようと決めた。


松陽先生が居たあの世界は、凄く楽しかった。

松陽先生に助けられてから世界は、変わった。



松陽先生に出会う前
五歳の頃、
自分に合わない剣を振り続け
毎日、
斬った人間に興味もない
吹っ掛けたのはあっちだから。

石段に座り、空を見上げた。
回りには、人の死体に群がるカラス。





あの日

あの人に松陽先生に出会った。

松陽先生が全て。

"仲間を
守るために剣を振りなさい。"

それから楽しかった月日が訪れた。


そして、幕府戦争が
始まる頃
貴方は何も言わずに、
首を斬られていた。


あの悲惨な現実で見つけたのは、

貴方の首から上。
貴方の顔が、笑っていたんだ。



仲間を無くす事に
恐れれていたんじゃない。

仲間が血を流して死んでいく
終らせないこの世界が
憎かったんだ。



くるり、くるり

世界は回り、
変わる事のない、

同じ、この世界に



何もかも逃げたかったんだ。
俺も。


そして お前もか

白猫。






いや、 (シロヤシャ)




蘇らない、あの日の日常。
蘇る、あの日の現実。


松陽先生が 死んだ。
貴方は、僕達に最後背中を向けて前を歩いていた。






その背中は、大きくて
僕達は、貴方から教わった
大事な教科書を握り締めたんだ。






手を伸ばして、呟いた。





「もう…貴方は、居ないんですね。」





そして、


くるり、くるり。






全てを、捨て、

新たな 物を 探した。






最後に、言えなかった、
ごめんなさい。


「ありがとうございます、」

(松陽先生…)













始まりを いま。
(貴方から貰った全てをもって僕は去りました。)





























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