▼ くるり、くるり。1
くるり、くるり。1
昔は、ただ目の前の奴を斬り棄てて血の飛沫が身体に纏うのも気にせず一人一人。そして血塗れになったのに気付くのは回りが血で染まりゴミのように倒れ一人其処に立ってる事で、初めて気持ち悪いと頬を擦る。
-白夜叉-その名を呼ばれ恐れられたのは、もうずっと昔の話。
"くるり、くるり"
回り道を求めた猫。
それでもその白猫は、気紛れで捕まらない。
そして、手を伸ばしたら擦り寄ってでもその一時は、直ぐに、消えて無くなってく。
追い掛けようともがいても、君は、それ以上に遠ざかって行ってしまう。
「なぁ…」
くるり、くるり。
血に染まった猫は、死んだ。
それが、最期か白猫。
そして、走った。
くるり、くるり。
(逃げ道を探した白猫と死んだ白猫。)