毒の花 | ナノ
「申し遅れました、緑男のハナコです」

座り直して頭を下げる。
ふっふっふーこの挨拶の仕方が日本流だと言うことはアマイモン様に既に教わっている。最先端らしい。

「お、おう…顔上げろよ…お前、グリーンマンって…男だったのか」

「え?女ですけど…」

「だってグリーンマンなんだろ?」

「ちっちっち、私、緑男の亜種なんです」

「へーなるほどなぁ」

「(分かんないからって鼻ほじり出しやがったコイツ)…本来、緑男は大きさは違えど、草や苔が生えた人形のようなものなんです」

「へー」

胡座をかいて興味なさそうに返事をしてくるおハゲさん。そういえばおハゲさんの名前知らないな…

「あの、おハゲさんの名前は…?」

「何がおハゲさんだよ!!丁寧に言ってるつもりか!!!」

今さっきとは打って変わって怒鳴りつけられた。私を見つけた時といい今といい、ハゲは禁句ワードか…なるほど。

「ったく…俺はサイタマだよ。趣味でヒーローやってる」

「はあ、ヒーローですか…ぷくくくっ」

「ハナコお前ってやつは…」

「あぎょー!すみませんでした…」

口に手を添えて堪えるようにして笑ったら眉間にコツンと叩かれた。叩かれたというよりぶん殴られたに近い…普段のアマイモン様でさえおふざけでここまで殴らないぞ…

「だいたい、んなこと言ったらお前だって悪魔って疑わしいしなーぷくくくっ」

「まだ言いますか!?これでどうですか!?」

「………」

私の真似をして笑うサイタマさんにむっとしたので手の平からクリスマスローズを出す。絶句していた。


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