毒の花 | ナノ
「ハナコさん、ちょっと来て欲しいところがあるんです。イイですよネ?」
そんな風に半ば無理矢理だけどメフィスト様に着いていった。
それが間違いだったんだ。
そう気付いたのは、メフィスト様に蹴られておかしなゲートに突き落とされた時だった。
***
気が付いた時には私は高い建物の屋上に倒れていた。
今の一瞬でどうやら虚無界から違う世界へ来てしまったのか。
メフィスト様の後を着いて行く間、物質界とは違う世界が〜なんて話をされた。ここはその世界だと思うけどメフィスト様なんかそうそう接点も無いし、私の上司のアマイモン様の所為でロクなお人ではないという認識だし、ていうか上司の兄とかただの赤の他人じゃん。だからそんな人の話をちゃんと聞くなんて真面目なことを私がするはずもなくて。
「とにかく、情報収集ですな」
重い腰を上げて、たった今轟音と土煙のたった方向へと向かった。
のが、3日程も前の話だ。