「います。てゆーか、ついさっき出来ました。ほんまこんなテンション久しぶりなんです。やばすぎて押さえきれないんでちょっと聞いてください。好きです大河内先輩。」



…あ、俺って今告ったよな。さらっと告ったよな。
いやいや、何やっとんねや自分。

と自問自答を勝手に繰り広げながら先輩をじっと見つめる。
さあ、先輩はどう来る。
聞きたいような聞きたくないような、そんななんともな心境でとにかく返事を、答えを待った。



「おう、そうか。」
「……だけ?」
「俺も好きだ、とでも言うと思ったのかよ。」
「いえいえ滅相もない。」
「ならいいだろ。」



…あ、呆気ない!なさすぎる!
俺の告白はどこ行ったん!さらりと交わされて最早風に消えたんちゃうか!



「はい、カツカレー大盛りな。」
「遊依は和風醤油パスタ。」
「…あ、りがとう。」



捲し立てる前にアホカポーが戻ってきた。
そやそや、今日はこのアホカポーの付き添いでしたね。
うっかり忘れるとこやった。



「で、明輝。喋れんって言うてたけど、」
「わわわ!本人の前だよ!」
「だってーこういうのはお互いの問題やん。ただ喋らんだけやったら先輩も不安やろー?ね、先輩。」
「まあ、な…俺嫌わてんのかなーとか。」
「違…っ!」
「違うんだ?」
「ただ…緊張しちゃって、何話したらいいのか…」
「というわけなんで、木津先輩は明輝をリードしたげてください。」
「言われなくても。」
「じゃ、俺らはお邪魔でしょうから退散しまーす!ね、大河内先輩!ほら、あっちの空いてるとこ座りましょ!」
「…はいはい。」



話を聞いているのかいないのか、黙々とカレーを頬張る先輩を強引に別席に連れていく。
…お邪魔とか関係なく、個人的な理由で。

『2人になりたい』