プレゼントの行方








(あの後ピンクのウサギは無事にバーナビーの手にプレゼントとして渡されました)


―――ちゃんと受け取った、受け取ったのはいいんだけどっ…!
一人散々な目にあったアントニオから渡されたプレゼントは結局虎徹が手渡す事になった。
―――カリーナやネイサンが一緒にいれば勢いで受取りはするだろうが、俺だとその場でつっ返されちゃうかもなぁ。そうしたらどうしよう、楓にでもあげちゃおうかな―…でもみんながせっかく選んだものだし…
渡す瞬間まで悩みに悩んで「何くねくねしてるんですか先輩、気持ち悪い」とまで言われてようやく手渡したんだ。
予想に反ししっかりとぬいぐるみを受け取ったバーナビーは、それを速攻で捨てたりはしなかった。だが
―――なんで無言、なんで凝視っ!?
ノ―リアクションが怖い。かれこれ5分ほどじっと手に持った人形を見つめにらめっこ状態だ。
渡す前からドキドキだった虎徹が痺れを切らして動く。
『ほらバニーちゃん。いいだろうこのウサギ。愛嬌があってバニーちゃんそっくり!』
視線だけが此方も向いた。お、これはチャンス!
『枕にもなるし、いい香りだし、ほらお耳だってこんなに長いんだぞー?』
少し馬鹿馬鹿しい気もしたがあえて明るくバーナビーの前にしゃがみこんだ虎徹はぬいぐるみをつついたり、耳を揺らしたりしてぬいぐるみの可愛さを懸命にアピールする。
ここで文句言われると選んだ物より渡し方が悪かったと俺が怒られる!(特にカリーナ怖い)落ち込む奴がいる!(キースとかさ)報われないのはかわいそうだ(アントニオは連行までされたのに)
『なんならほら、俺もつけちゃうからっ!』
カリーナには却下されたがオジサン、これでもまだまだいけると思うんだ。
勢い任せに言った言葉にバーナビーの肩がピクリと動く。
『(…あれ、墓穴?)』


「先輩が誕生日プレゼントなんでしょう?だったら心ゆくまで貰わないと、失礼にあたりますもんね」
後ろから突きあげる余裕のある楽しげな声に虎徹はビクリと肩を震わせた。
既に1R済ませたバーナビーの表情はどこかすっきりとしていて、普段から鍛え上げた肌はうっすらと汗がにじむだけで疲労の色はみじんもない。
「ちょ…オジサン壊れちゃうよ!?」
対する虎徹はずいぶん疲弊した様子で、しっとりを取り越した肌には乱れた黒髪が顔に張り付いている。それを直す気力もないのか気だるげに首をひねりバーナビーをにらみながらシーツを握りしめるのが精一杯。
思わず半泣きになってしまう。
「俺が1回で終わった事なんかありましたか?」
「ねぇよ、ねぇけどさ…もうちょと気遣い無いと嫌われちゃうぜ?」
肩で息をしながらも悪態をつくのを忘れないあたり、まだ限界ではないらしい。
「嫌われちゃうって、誰に?」
「っ…!!」
動きが変わりゾクリと鳥肌が立つ。背骨に沿うような上へ突き上げる動きではなく、グリグリと接合部を押しつけるような動き。奥を突かれるのでは無く押し込まれる感覚に弱い所がジクジク疼くのを感じる。
「それってもしかしてオジサンの事ですか?違いますよね。オジサンが僕を嫌うなんて…あり得ない」
「や、奥、奥はまずいってっ…っ…!」
一際奥へ押し込まれ情けない声をあげながら膝が崩れる。ぺたりと落ちた腰にシーツに挟まれた虎徹の自身は押しつぶされた様な衝撃を受け全身を大きく震わせた。そのまま重なるように背に覆いかぶさり、耳もとに唇を寄せて囁く。
「気持ちいいでしょう?」
「ひっ…!」
言葉と同時にシーツに密着する腹の下にバーナビーの手が潜りもむ。脇腹を小指でなぞる悪戯も忘れない。必要以上に敏感になった虎徹のにとってその微細すぎる刺激が悪戯で済めば、の話だが。
目的の物を見つめるとカリを摘まむようにやんわりと指を這わす。触れる度にピクリピクリと中が締まる。
「んっ…まだまだ元気そうじゃないですか。オジサンもスキモノなんですから。こんなに…」
「ふぁっ、あ、ぁ…」
そのまま回す様に指でなぞりあげると逃げるように前へ体を伸ばし移動しようとする。それを見とがめたバーナビーは腰を掴んでいた片手を肩に移動させ上から押さえつける様に完全の虎徹の動きを封じた。肩と急所、両方を握られ諦めたように体がベットに沈みこむ。
「オジサンが僕のこと嫌いになんて、なれるはずが無いんですよ」
「やぁ、ちょ、て、手っ…!」
くすぐる様にやわやわと自身に這いまわる手に背筋が甘くゾクゾクする。
いい加減限界だ。懇願するように肩越しにバーナビーの顔を見やると舌なめずりをする獣めいた視線と目があった。
「こっちも、ですか?まったく、本当に好きですね」
「違、い、つぁッ…ぁ…〜!!」
カリから尿道にかけて爪を立てられながら撫でられ一気に追いつめられた。

自分の精液の熱さに火傷しそうだった。
「ひぅ…は………ぁぅ……」
押しつけられた体勢だったせいか出したものはシーツだけに無く自身にもまんべんなくかかる結果となってしまった。
目をつぶってても嫌でも判る濡れた感覚に羞恥が走る。自身に集中していたせいか気づくのが遅れたかずるりと出される奥の感覚でバーナビーも果てた事が判る。
中も外もぐちょ濡れだ。
「っ…」
ようやく終わりかと思ってた所に肩を引かれひっくり返される。
汚れた部分も全部見られるのは不快で仕方がないが、言っても聞かない事はこの身によく染みてる。それでも荒い息で文句を言わなければ気が済まない。
「も、や…腰重くて動かない、し。もう限界…」
天井のうっすら光るライトすら目に痛い。目がうるんでいるのか視界がチカチカする。
「…」
「ぇ、バニーちゃん、何…」予想通り止める気はなさそうだがすぐに再開はしなかった。バーナビーは動く影にしか見えないが何やら手を伸ばして探してるようだ。以前ベットサイドからとんでもないものを取り出してきた事を思い出しさっと青ざめる。
時々俺以上にぶっ飛んだ行動をする男だ。特にベッドの上では。
「いえ、楽にさせる方法を聞いたのを思い出したんですよ」
―――誰からっ!?
「はい、腰上げて下さいね。あぁ高さがちょうどいいです。ほら、これなら楽でしょう?」
「ちょ、お前、これみんなからのプレゼント…!」
あぁ、本当にぶっ飛んでる。
何を思ったのかバーナビーがとりだしたのはすっかり目に馴染んだショッキングピンクの塊。先ほど自分が売り文句を並べ立てたウサギのぬいぐるみだ。
軽々と片手で腰を浮かせるとその下にぬいぐるみを挟み込む。肌触りのいい柔らかな感覚。
「ほら、これならちょっとは楽でしょう?」
「楽だけど…どっちかと言うと、申し訳ないって言うか……っ」
これを選んだ面々の顔が思い浮かぶ。サプライズの予行練習。数時間前の事なのに今のこの状況との落差にずいぶん前の事の様な気がした。
「それは良かった。でも楽だからって他の事考えないでくださいね」
目ざとく虎徹の思考を読み取ったバーナビーが嫉妬混じりに腰を進める。挿入る方にも楽な体勢なのか派手な水音と共に根元まであっさり飲みこんでしまった。
「ひゃっあ、うぁ、うっぁ、ぁ、ぁ、あぁ!」
「っ…!」
一気に挿入されたモノと思い出してた仲間の顔。
混乱と衝撃に意識が遠のいた覚えだけはあった。



それなりに手間のかかる後始末の後にシャワーを浴びベットに戻ると、案の定虎徹は既に高いびきをかいている。このオジサンはいびきと寝言がうるさいのが難点だ。
顔を覗きこむと汗で少し汚れたぬいぐるみを枕に爆睡してる。
バーナビーはその枕を勢いよく引き抜く。ふごっ、と妙な音を一声あげたが目覚める気配は無かった。
子猫でもつまみあげるかのようにもったぬいぐるみと目線を合わせる。間抜けなこの顔のウサギを選んだ理由が何なのかは知らないが、虎徹に会う前に偶然廊下で会ったネイサンの言葉が頭をよぎる。
『予行練習中ずっと抱きかかえてたのよ。声真似までしちゃって、可愛かったわ』
―――…できる事ならその姿を見たかった。ウサギのぬいぐるみを持ったオジサンなんてすごくすごく可愛かっただろうに…
虎徹からぬいぐるみを貰った瞬間、その光景を拝めなかった無念とずっと一緒だったというぬいぐるみにわずかな嫉妬を感じてしまった。虎徹限定で自分の心は此処まで狭くなってしまうのか。
―――とりあえず今は。
ぽいっとソファーに向けてぬいぐるみを投げる。虎徹がずっと持っていた。そこは確かに重要だ、これからも大事にしよう。だが。

寝息を立てるオジサンに顔を寄せるように自分も布団にもぐりこみ、瞼が落ちてくるまで寝顔を見つめるバーナビーだった。



End





(―――今オジサンの隣は僕だけのものですよ。)






お約束ネタですいません。一番たぎったネタを投下。
バーナビーは無言無表情でおじさんに萌えてるといいよっ!






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