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今日は、七夕。一年に一度だけ天の川を越えて織姫と彦星が会うことを許された日。

「雨…」

だけど今日は、厚い雲に覆われて星は見えない。雨は朝から降っていて、一向に止む気配がなかった。

「…そういえば」

今日は生徒会で七夕の星見をするって言っていた。でも、この天気じゃ…きっと星見は中止だろう。

『明日は四季君も一緒に星を見ようね!』

ふと、昨日俺を誘いに来た月子の顔が浮かんだ。あんなに楽しそうにしていたから…きっと今日は物凄く残念がっているだろう。

(月子の、悲しむ顔は見たく、ないな…)

ぼんやりと、そんなことを思いながら、俺は訪れる眠気に身を委ねた。



きらきら、きらきら

空から何かが降って来る。色とりどりに輝くこれは――


「――……あま、い」
「あ、四季君起きた」
「…月子?」

頭上から声がして目を開ける。そこには、俺の顔を覗き込む月子がいた。

「お、四季起きたのか。食い物で起きるなんて、ほんっとお前らしいな」
「すごいのだ!本当に金平糖あげたら起きたのだ!」
「神楽坂君、おはようございます」

月子に続くように、不知火、天羽、青空が俺のところへやって来た。天羽の言葉で、俺は口の中に落ちてきたものが金平糖だということを理解した。

「これ…」
「あ、これはね。星の代わりなんだ」
「星…?」
「今日七夕だけど星が見れなくなっちゃったから、代わりに何か出来ないかと思って生徒会で用意したの」
「星見は出来ねぇけど、代わりにこれからぱーっと騒ごうと思ってな」
「会長がいきなりそんなことを言うから、僕達は大変だったんですよ?」
「ぬはは!でも楽しそうだから良いのだ!」

4人は楽しそうに笑う。だけど、本当は…

「…残念じゃないのか」
「え?」
「星、見られなくて」

月子が真っ直ぐ俺を見る。そして、優しく笑った。

「七夕に星が見られないのは確かに残念だけど…でもこうしてみんなで七夕を過ごせるのは楽しいから大丈夫だよ」
「…そうか」

月子が楽しそうで、安心した。悲しい思いをしていなくて本当に、良かった。

「おーい!月子、四季早く来い!」
「はーい!四季君、行こっか」
「…うん」


先で待っている不知火達の表情も、そして俺の隣を歩く月子の表情も、きらきらと輝いて見えた。

――それはきっと、空に瞬くどんな星達よりも眩しい。






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七夕ということで四季+生徒会を書いてみました。四季は初めて書いたので全く掴み切れずに申し訳ないです;




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