(将臣くん喜んでくれて良かったな)

将臣の誕生日祝いをした夜、自室に戻った望美は素直に喜んでくれた将臣の姿を思い出して顔を綻ばせていた。
その時、枕元に置いていた携帯から電話が掛かってきたことを知らせる着信音が聞こえ、すぐさま望美は通話ボタンを押した。

「もしもし、将臣くん?」
『よお』
「どうしたの、こんな時間に」
『ちょっとお前と話したいことあるんだけど、外出られるか?』
「うん、今行くから待ってて!」

電話を切ると、望美は部屋着のまま部屋を飛び出した。
玄関のドアを開けて門の方を見ると、そこには既に将臣の姿があった。

「んな急いで来ることなかったのに」
「だ、だって、将臣くんから改まって話なんて…気になって仕方なかったんだもん」
「ま、それもそうか。ちょっと歩こうぜ」

将臣に誘われ、望美は門を出た。そして二人でゆっくりと互いの家から離れるように歩き出す。

「…今日のこと、企画したのお前だったんだってな」
「びっくりしたでしょ?」
「ああ、まんまとやられたぜ。でもありがとな」
「いえいえ」
「あのさ、欲しい物があるって言ったら聞いてくれるか?」
「え…?」

将臣は足を止め、真剣な表情で望美のことを見つめる。その真っ直ぐな視線に射抜かれそうで、望美の鼓動は大きく音を立てた。

「お前のことが好きだ」
「まさおみ、くん…」
「誰よりもお前が大切なんだ。だから…俺と付き合ってくれないか?」
「…………」
「望美?」
「え、え、えええええええ!?」
「…お前なあ」

将臣からの突然の告白に動揺を隠すことが出来なかった望美は大きな声を上げた。その様子に将臣は頭を抱えながら大きな溜息を吐いた。

「だ、だって将臣くんが私のこと好きだなんてそんなこと…」
「嘘じゃねぇよ。ずっとお前のことが好きだったんだ」
「…っ!」
「なあ望美、お前の返事を聞かせてくれよ」
「…も…だよ」
「ん?」
「私も、将臣くんのこと好きだよ。だから凄く嬉しくて…っく」
「おいおい、泣くなよ」
「だって…」
「全く、お前は仕方ねぇな…ほら来い」

嬉しさの涙を流す望美を、将臣は優しく抱きしめる。
空に輝く月の光がまるでこれからの二人を祝福するかのようにきらきらと降り注いでいた。




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