140words log

#1 将望

時の止まった空間。あの頃二人で過ごした場所に俺達は逃げてきた。自責の念に駆られない訳じゃない。だが、お前が嬉しそうに俺の名前を呼ぶから、あの頃と同じように笑っているからもうこれで良いんだ。お前と二人どこまでも一緒に堕ちていく、そう決めてあの時あいつの手を取ったのだから。

#2 九望

すぐ終わるから待ってろと言われたけど退屈になって仕事中の九郎さんにちょっかいをかけてみる。すると案の定怒られた。でも怒るけど絶対に追い出したりはしない九郎さん。九郎さんって優しいですよね、と思ったことをそのまま口にすると、九郎さんは真っ赤な顔をしてやっぱり怒った。

#3 一秋(inzm)

もう習慣となった君への電話。お互いの近況を話しているうちにあっという間に時間は過ぎて。最後にオレは必ず好きだよ、と伝える。すると電話越しからでも君が真っ赤になっているのが分かって可愛いって思うんだ。今度帰る時は真っ先に君の元に向かうって決めているよ…約束の証を持ってね。

#4 柊千

真っ暗で何も見えない夢の中。深淵に飲み込まれそうになる度に『ひいらぎ』と私の名を呼ぶ優しい響きに救われてきた。貴女を初めて目にした時、私は確信したのです―私に救いを与えてくれていたのは貴女なのだと。だから私は受け入れましょうこの運命を―貴女の為にならこの命など惜しくはない。

#5 那千

僕が仕事をサボって抜け出していると、決まって千尋が探しに来る。どんどん近付いてくる千尋の声にいつもの僕ならうるさいって言ってもう起き上がっているところだけど、今日はもう少し寝たふりをしていよう。何となく、千尋が僕の名前を呼ぶ声を聞いていたい気分なんだ―千尋には絶対に言わないけど。

#6 弁望

戦が終わって、二人で暮らすようになって初めて分かったことがある―弁慶さんはこんなにも優しく微笑う人だということ。私に向けてくれるその表情が堪らなく嬉しい。だから私も弁慶さんを喜ばせることが出来たら良いなって、二人で同じ気持ちを分け合えれば良いなって思う。きっとこれが幸せなんだね。



ツイッターでリクエスト戴いて書かせてもらった140字SSをNLCPオンリーでまとめました。字数の制約があるので難しいのですが、とても楽しかったです!また書かせて頂きたいですね。




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