溺れる程に、あいしてる

「エリク、食事の準備が出来たよ」
「…凄い。どれも美味しそうだね」
「全部エリクの為に作ったんだ。冷めないうちに食べちゃおう」

エリクに座ってもらい、私は作った料理をお皿に取り分けてエリクの前へと置いた。


エリクが自分ひとりの力で生きることを決めてから約半年、ザルディーネ王立学園の夏の休暇を利用して、エリクはカトライアへと来てくれていた。
頻繁に手紙のやり取りはしているけど、やっぱり会えないのは寂しい。だから私はエリクが来てくれたことがとても嬉しくて仕方なかった。

「それじゃあ、いただきます…うん、久し振りの君の料理はやっぱり美味しいね」
「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいな」
「本当に美味しい。毎日でも食べたい位だよ」
「ふふ、私も毎日エリクに作ってあげられたら良いのにって思ってるよ」

素直な気持ちを口にすると、一瞬だけエリクは驚いたような表情を見せた。だけどその直後、こっちがドキッとする程の綺麗な微笑みを浮かべて、私の方に手を伸ばしてくる。

「ティアナは時々無自覚に大胆なことを言うよね」
「え…?」
「でも、そこが可愛いんだけど」
「ん…っ」

顔を引き寄せられたかと思ったら、そのままエリクにキスされた。最初は触れるだけのキスだったのに、次第に呼吸まで飲みこまれるような深いキスに変わっていって…解放される頃には頭がぼうっとして何も考えられなくなっていた。

「…デザートから先に食べるのもアリかもしれないな」
「え」
「大丈夫、ちゃんとティアナが作ってくれた料理も全部食べるから」
「ちょ、ちょっと待って、エリク…っ!」
「だーめ、待たないよ」

私の抵抗を完全に無視して、エリクは再び私の唇を塞いだ。さっきよりも深いキスに、私の頭の中は蕩けてしまいそうになる。

こんなにもエリクに振り回されているのに、それでも幸せだと感じてしまう私は――もしかしたら自分で思っている以上にエリクに溺れているのかもしれない。

――だって、こんなにもエリクのことが好きなんだもの。



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エリティアにハマり過ぎた結果のこの有様です(笑)前回はティアナ出してあげられなかったので、出せて良かったなと。しかしエリク様書くとすぐあっち方面に行きそうで危ないですね←





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