「リリィ!」

廊下を走っていた私は、廊下を歩いている目的の人物リリィを見つけて、彼女を呼び止めた。

「リーシャ、久し…」

「館長とジギーと三角関係になってるって、本当なの!?」

挨拶の言葉を半分無視して、館内に流れる噂の真相を問いかける。

「せ、宣戦布告されちゃった…」

すると、リリィの顔がほんのりと赤く染まった。

「事実なんだ。いいなー。一人の女の子を巡っての熱い男の戦い。私のために争わないで!の世界だね」

「ちょっ、ちょっとリーシャ。私はジギー一筋だって」

憧れを口にする私に、リリィは焦ったように訴えてきた。その姿に、今度はもう一つの噂を聞いてみる。

「でも、館長とキスしたんでしょ?」

「あれは不可抗力で…!」

一気に真っ赤になるリリィの顔。つまり、館長とキスしたのも事実なわけだ。

「事実も分かったし、私、ゴーシュに真相教えてくるね!」

「リーシャ!?」

そう言って、私は元来た道を再び駆け出す。後ろから私の名前を呼ぶリリィには、手を振っておいた。



「ゴーシュ!お待たせ。私、ちゃんとリリィに真相聞いてきたよ」

「よくできました、リーシャ」

私がゴーシュに駆け寄れば、彼はにっこり笑って、私の頭を撫でてくれた。あ、そうだ。聞いてきた事を話さなくちゃ。

「あのね、噂は全部事実だって。真っ赤な顔してたから、間違いないよ」

「これからおもしろくなりそうですね。館長を焚きつけた甲斐がありました」

ふと、聞き流せない言葉が聞こえてきた。館長を焚きつけたって、まさか…。

「もしかして、ゴーシュが裏で糸引いてたの?」

「いいえ。僕はただ、背中を押しただけですよ?」

相変わらず、にこにこと楽しそうに笑っているゴーシュを見て思う。絶対に確信犯だ!

「ふーん。でもいいなー、リリィ。かっこいい男の人二人に言い寄られて」

「なるほど。リーシャは僕だけでは満足できないと?」

ぽつりと憧れを零せば、予想外のゴーシュの言葉。顔を見れば、にこやかに笑っていた。

「そんな事ないよ!ゴーシュが大好きだから、満足してるもん」

慌てて、ぎゅーっとゴーシュに抱きつく。でも、彼の追及は止まらなかった。

「では、どうして羨ましいと言ったんですか?」

「だって、三角関係って女の子が一度は憧れるシチュエーションだよ?だから…」

もごもごと言葉に詰まって俯く。そんな私の顔をくいっとあげて、ゴーシュが不敵に笑った。

「リーシャは僕だけを見ていて下さいね?」

あまりのかっこよさに、私が再び惚れ直したのは当然の事だったりする。



*****☆*****☆*****
私、この目で見たの!
館長室でロイド館長がリリィ・フォルトゥーナを抱き締めてるところ!!
館長、あの子こと凄く愛しそうな目で見つめてた。
それで、ジギーさまと二股だって聞いて許せなくって!!
問い詰めたら、ジギーさまは恋人だっていうし、いきなり館長が来て あんなこと‥‥!
もう、超ショック!!!

  from 郵便館受付事務:A(21)

Fri.21.Jan.2011
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