お気に入りだったフリルのワンピースはとうに押し入れの奥へ逝ってしまった。パパに強請った赤いスカートはいつしかタンスから起きてきやしない。最近誰にも裏切られないのは鼻から誰も信じていないからで雨を浴びることに不快を感じるようになったのは化粧とか言う絵の具を顔に塗りたくるようになったからだとおもう。友人達は寝ても起きても金とドラマとセックスの話ばかりであたしは空返事を携えながらはがれかけたネイルを弄る癖を手に入れた。人の死なない話で泣けなくなった。泣くために人は死んでばかりだ。ねぇママあたしは今日もよい子だよ。自分を一番の被害者だと陶酔しながら無名の雑踏の中でたった150cm160cmそこらしかない体で背伸びをするあたしは今日も元気だよ。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -