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3

「相変わらずきれいな髪だね。
今日は少し後ろをいじらせてもらうね。」


優しく僕の髪を撫でる桜庭さん。
桜庭さんは、いつも僕の髪を褒めてくれる。ただの、真っ黒いなんの飾り気もない髪型。

それでも、毎月通う間に桜庭さんの手で僕の髪型はだいぶおしゃれになったけど。


桜庭さんは、やはり美容師なので髪型や髪の色がコロコロ変わる。
サイドに赤のメッシュを入れた短髪だったり、まっキンキンでちょっと長めのソフトモヒカンだったり。
今は、某アイドルグループのように長くして、ゆるくパーマをあてている。
髪の色は、薄い茶色だ。


…この髪の色、すごく好き。蜂蜜みたいだ。

「どうしたの、じっと見て。僕の髪変かな?」

優しく笑いながら、桜庭さんが言う。

「へ、変なんかじゃないです!あの、すごく似合ってるなって…、
か、髪の色、すごく綺麗ですよね。」
「ありがとう。この色ね、僕が新しく考えて調合した色なんだ。」

ふふ、と桜庭さんが笑いながら、ワゴンを取りに行く。


「…僕もそんな色にしてみようかな…」


桜庭さんとお揃いになりたくて、独り言を呟いた。

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