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「約束は守ってよね」
「そりゃてめえ次第だ。…わかってるだろうな。一言でも声を出したら」
「わかってるよ。はやくしたら?」
俺の出した条件は、良平を抱くこと。
ただし、俺が満足するまで。
そして、その間一切声を出さないこと。一言でも発したら、俺は哲平に手を出してやる。そう脅した。
半ばやけくそだった。
こうなったら絶対に声を出させてやる。
哲平のことなど頭になく、ただ俺は良平のゆがんだ顔が見たかった。
――――良平は、一言も発することはなかった。
俺はもてる技を駆使し、良平を攻め立てた。俺自身、何度果てたかわからない。
だが、良平はその陵辱の間中唇を強く噛み締め、一切を耐えきったのだ。
涙の一粒さえ落とさない。
幾度目かの白濁を良平の中に吐き出したとき、ふと良平の顔を見た。
目の焦点が合っていない。なのに、唇だけは噛み締めたまま。
どれだけ強く噛み締めていたのだろう。端から血が流れていた。
「…良平…」
自分が組み敷いていた体を見る。
所々に俺のつけた鬱血のあと。うすい腹に、良平自身の出した精液。
幼い体は、男からの暴力の後をまざまざと浮かび上がらせた。
…おれは、なにを。
「…良平…、良平…!」
焦点の合わない良平の頬を軽く叩く。
ふと、目に生気が戻ってひどくほっとする。
だが、良平は次の瞬間
「も、う、終わ、り…?
…たいした、こと、ない、ね…」
そう言って、気を失った。
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