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7

後に残された僕ら。山添君が、こちらに向き直る。


「大丈夫?…帰ろっか」


山添君の言葉に、びくりとなる。
…ああ、言わなきゃ。全部聞いてたって言ってた。


「あの…、ご、めんなさい」
「なにが?」
「…あんなこと、彼女に言っちゃって…。山添君、せっかく僕のこと友達にまで格上げしてくれたのに、あんな、僕にくださいなんて、山添君好きな人いるのに」



…山添君には、好きな人がいた。彼女ではなかったけど、僕でもない。


「…畑山」
「でも!僕はまだ山添君が好きだから!だから思わずあんなこと言っちゃったわけで、ほんと迷惑だろうけど頑張って諦めるからせめて今までのように友達でいさせてほしいかなって」


ああ、僕何言ってるんだろ。こんなの、迷惑にしかならないよ!


「…ばか」


混乱して泣きながら訴える僕を、山添君がそっと抱きしめた。



「…いや、バカは俺だな。改めて言うの恥ずかしくて、適当に言った。そのツケがお前にきちまった、ほんとごめん。罵られるのはお前じゃなくて、俺じゃなきゃいけないのに。」


山添くんの言葉に、腕に。心臓が速くなる。
…これって。期待、しても、いいの…?


「俺の負け。お前が好きだ、義弘。」


僕は、息が止まってしまった。

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