指先の感覚がわからなくなるほどに抱きしめたかった機械は、きっとわたしをしらない。

おびえるあのこに伝えてあげたい、きみは汚くなんてないよ、わたしの流星群。

LED電球で内蔵を作りたかった、きみに食べてほしかった。

あの時よりも細くなってしまった薬指から、指輪も思い出も、溶けて、きえた。

吸い込めば冬の匂いのする毛布は、北極で見つけた、大熊座の毛皮に似ていた。

人類に何が必要かわかりますか、それは電波記号と、やすらかな休養。

おなじじゃなくていいよ、にんげんでなくていいよ、なんて言えたら灯台の下は明るくなるかい。

真新しいバーコードから香る金木犀に引きずられて、きみの元へ来ました。

言葉だけじゃ伝わらないよ、真実にふれたいよ、きみの寝顔がすきだよ。

かみさま、かみさま、かみさま、ぼくはばけものをやめます。

そちらの暮らしにはもうなれましたか、地球はきょうもからだを青くしてきみの帰りをまっています、はやく回帰衛星に乗り込んで。

きみのなみだはおいしいんだ、舌先でソムリエごっこするわたしに、どうかおびえないで。

腐敗臭こそあいしていたいなんてはじめての感情、ママに知られたとき、きみもいっしょにお説教を受けてね。

文化を尊重していたいので、すきなひとならたくさんいるよ、赤い糸の発注がおくれているだけなんだ。

わがままでいい、ねむくたっていい、大人の向こう側はきたないから、どうか行ってしまわないでね。

地中海に面した白亜紀で、おいしいごはんをつくってまっているわ、わたし。

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