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雑記



*現パロ、性的表現あり


「小雪、なに読んでるんだ?」
「ガイも読んでみる?」
「どれどれ……椅子がギシギシと鳴り、愛してる愛してると男は言いながら腰を一心不乱に振り女の……んんッ!?」
「イチャパラだよ」
「こっここここんな如何わしいもの読むんじゃない!!」
「カカシからのプレゼントなのに」
「なにィ!?あいつ一体何を考えて、」
「いいスパイスになるとイイネ、だってさ」
「こんなものなくたってだな、」
「でもガイだって若いころ読んでたでしょ?イチャパラじゃなくてもエロ本とか」
「ば、ばばば馬鹿言うな!俺は常に気高い精神を持ち合わせた好青年だった!」
「……」


体内に押し込まれる度に小雪が反応を示す。小雪は全身が突き立てられる怒張によって喜び、溶けていくのがありありと分かった。淫らな声を抑える事も忘れて、小雪の方こそガイを貪っていた。かくかくと揺れる腰は無意識からで、動物のように雄を引き込むために、受け入れ口である穴を意図的に収縮させる。忘れていた征服される側の官能を思い出した小雪の姿は、未だガイが見た事のない、かけ離れた夜の生き物だった。身をくねらせ、突き上げられれば強請る様な切ない声を上げた。


ナルト君曰く、お色気の術は強い忍ほど効果があるらしい。五大性質変化をやってのける、あの三代目さまが鼻から大量の血を出した事は里でも有名な話だ。
「全く効かなかったと」
「そうなんだってば!おかしいだろ!!どう考えても!!」
小雪のねーちゃん、ゲキマユ先生ってば本当に付いてんのか!?ととんでもない事を言い出したナルト君にどうすればいいのか分からず、兎に角私は笑った。
「ガイはスケベでいうところの無所属になってるからね」
「無所属……イルカ先生や三代目のじーちゃんが健全に見えてきたってばよ」
クッソー!とナルト君は嘸かし悔しそうに拳を握り締めた。彼の納得のいかない気持ちも分かる。その事をガイに言うと、「おいろけのじゅつ」と危うい感じでリピートした。もしやこの男、覚えていない?人の顔を容易に覚えられない程だ、今更何も驚く事はないが──すると「あ〜!思い出したぞ!あれな!」と返って来た。
「いくら変幻したとはいえ、ナルトはナルトだろう」
流石無所属。視覚からの攻撃は全く効かないらしい。イチャパラを見せた時は狼狽していたが。


引き締まった身体に無駄は一切なく、まるで絵に描いたような肉体美。本人はこういう身体になりたいと思って造っている訳ではないのだろうが、やはり自分とは異なる性なのだと思い知らされる。着痩せするせいもあってか、生で見ると本当に逞しい。彼が背中を向けているのを良い事に小雪は彼の身体を見た。大きく盛り上がった肩甲骨からくっきりと浮き出た肋骨にかけて、数個の赤い切り傷。クナイなどで付いたような深いものではなく──小雪はふと自分の指を見た。視線を戻し、よく見てみると彼の二の腕にもあった。間違いない、全て自分が最中に引っ掻いたものだ。小雪は思わずそれらから視線を逸らし、両手を隠した。


カメラが好きな友人から貰った写真の殆どにガイも写っていた。そんな一緒にいるだろうかと一人で勝手に恥ずかしくなりながら、ガイとの写真を捲って見ていく。だがそこにはガイの笑顔──白い歯を見せ大声で笑っている──を写した写真は一枚もなかった。あったのは、私を見て酷く優しそうに笑うガイだった。こんな顔を、しているのか。私に。それらは自分が知らない彼の表情だった。恐らく、彼と目が合った時に前者の笑顔を私に見せるから、分からなかったのだろう。小雪は自分だけが写った写真を封筒の中へ戻し、彼が写った写真を繰り返し見た。


淫猥な獲物を前に、犯さない理由をガイは探していた。理性の膜が剥がれ落ちてゆく。確認もなく、半ば強引に体位を変えると、今度は小雪を上から押さえ込む形で交わりを再開させた。一旦抜いた自身はまだまだ張り詰めて、ぐいと開かせた小雪の足の間、さらけ出されたそこに再び突き立てる。ずぶずぶと抵抗なく押し込まれる熱く硬い象徴はいきり立ち、ガイはずんっと一気に小雪を貫いた。


枝から落ちて来た一枚の葉を手に取り、ぼんやりと眺めた。恋人の顔が頭に浮かぶ。お前の眼差しひとつで夜を追い払えるものを。ガイはその葉を流した。今夜も綺麗なはずの月が霞む。見ているか、お前は。


「先生、お家にいらっしゃると良いんですが」
「いなかったら修行しているだろう、いつもの場所で」
「もしいなかったらそっち行ったら良いじゃない」
「すみません、付き合わせてしまって」
「今更でしょー」
リーがインターホンを鳴らした。だが反応はない。リーが振り返りネジとテンテンの顔を見た。テンテンがもう一度インターホンを鳴らしたが結果は同じだった。
「やはり、いらっしゃらないのでしょうか」
リーは無残に破れたマイトスーツを抱き締めている。修行で次々とスーツを駄目にしたらしい。見兼ねたネジが白眼で部屋の中を見た。この血継限界は便利だが、戦闘以外で使うのはあまり好きではなかった。どうせいないだろうと踏んでいたネジだったが、寝室に見慣れたチャクラが見えた。ガイだ、間違いなく。それともう一人、特殊なチャクラ。ネジは前に一度だけ見たガイの恋人を思い浮かべた。二人ともチャクラの流れが早い。早いというより暴走に近い。
「ネジ?」
「いないな」
白眼を止めネジはそう言った。逢瀬を邪魔する趣味はない。リーには悪いが日を改めて貰うしかあるまい。
「じゃあ演習場に行ってみましょ。そこならきっといるわ」
「…ああ」


頬に細かな毛の感触。目を開けると、白色のふっさりとした毛、そして後ろへと流れる景色。
「──君は確か、小雪の口寄せ」
「そうだ」
高い体温と地面を走っている振動が直に伝わってくる。
「小雪の命令でお前を拾いに来た。夜明けまでには木の葉に着くだろう。…だが一撃必殺の技とはいえ、一歩も動けないようでは厄介だな」
全く、こんな事の為に呼びつけるなど何を考えているのか──と大きく逞しい狼はブツブツと言っている。そしてスピードも心なしか速くなり、地面を蹴る振動も大きくなった。
「も、もう少しゆっくり走ってくれないか?八門の後遺症で全身が、」
「文句を言うな、叩き落すぞ」
「イテェェエ!!」
似ている。飼い主に似ている。そういうところ。ガイは密かにそう思った。


「やっぱり、お前に押してもらうのは何だかイヤだ」
「なによそれ」
車椅子を押していた両手をガイに取られ、車椅子がその場で止まる。急に静かになったと思えば彼が突然そう言った。
「顔が見えん。俺は一体誰と話しているんだと思ってしまう」
首をぐいっと後ろに倒し、逆さまのガイの顔が視界に映る。まあ、確かに、言っている事は分からなくもない。
「そこのベンチに座るから、その体勢やめてよ」
「そうか!なら良い」

Josef Salvat - Open Season