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初恋



左脚の骨を折られ、腹を引き裂かれていた。
ガイは男の視界に入り、男と視線を合わせた。
今すぐ医療忍者を呼んでくれ。
地面に横たわった男はガイにそう言った。
息は荒いが通った声。
何が何でも生きようとしているその目。
生にしがみ付くまでもなく、男は治療すればすぐに助かるだろう。
傷は然程深くはないとこの自分でも分かる。
ガイはクナイを取り出した。
そして男が異変を感じ取る前にそれを男の胸に刺した。
男の両手が一瞬宙で暴れたが、ガイは構わずにクナイが全て胸に埋まるまで力を入れた。
消えていく生の中に絶望を見る。
彼女を一番近くで見ていたその目の光が消える。
羨ましかったよ、お前が。
ガイは立ち上がり、深く息を吸った。


右脚を引き千切られ、胸にクナイが二本深く刺さっていた。
ガイは女の視界に入り、女と視線を合わせた。
どうかこのまま死なせて。
地面に横たわった女はガイに微笑んだ。
息は荒く濁った声。
生きるのをとっくに止めたその目。
しがみ付く生もなく、女は治療しても助からないだろう。
瀕死だとこの自分でも分かる。
ガイはクナイを取り出した。
そして女が異変を感じ取る前にそれを自分の胸に刺した。
女の目が一瞬で見開かれたが、ガイは構わずにクナイが全て胸に埋まるまで力を入れた。
そして彼女の隣に横たわり、クナイから手を離した。
消えていく生の中に自分を映す。
彼女を一番遠くで見ていたこの目が霞む。
好きだったよ、お前が。
ガイは小雪の頬に触れ、深く息を吸った。