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LOVE NEVER FELT SO GOOD



皮膚の内の色がピンク色であることに気がついたゴードンは重い瞼を開けた。窓からの日差しが強い。もう昼だとぼんやりした頭で思う。今日は休日だったな──とのそりと身体を動かしたゴードンの視界に入ったのはこっちをじっと見ているブルース・ウェインだった。瞬く間にゴードンの思考が止まる。目を見開き、口を微かに開いているゴードンの表情にウェインはクスリと笑った。可愛い人だ。
「おはよう、ジム」
「あ、ああ、おはよう」
腰まで下がっていたシーツを高速で引っ張り上げて、それで顔を隠しながらゴードンは返事をした。隙間から一瞬だけ見えた耳は間違いなく真っ赤に染まっていた。僕の顔を見て昨夜のことを思い出してくれたみたいだ。ウェインはゴードンの様子にそう思ったが、少し違った。確かに昨夜のことも十分に恥ずかしいけれど、ついさっき見たウェインの顔が──いつもしっかりと固めているオールバックの髪は乱れ目元にかかり、彼の優しい瞳には光が入りブラウン色の虹彩が輝いていて──脳裏に焼きついた。君は昨夜私に、君の熱と声で強烈な傷を私の中に刻んだのに、まだ足りないのか。暫くゴードンはその場で気持ちを整えていたかったが、ウェインはそんなゴードンをベッドから引きずり出す為、シーツを勢いよく剥ぎ取った。もうゴードンの手の届かないところに無惨にあるシーツに慌てている彼に、ウェインは笑いながら跨った。
「ブルース、」
下着越しに彼のものが、自分のものに当たる。ゴードンは言葉が出ず、もがいたが、彼の片手が自分の両手を掴まえたせいで微塵も動かなくなった。ゴードンは力の差に呆気にとられ、ブラウンの瞳から光が抜けたダークな彼の瞳と視線が絡まった。この目だ──昨夜自分が見たのは。最後まで自分から目を逸らさず、静かに熱を帯びているその目に自分は酔ったのだ。ウェインはゴードンの乾いた唇にキスをした。ただのキスだ。それを何度も繰り返す。瞳を閉じているゴードンを至近距離で舐めるように見つめる。ゴードンはキスをするときはいつも瞳を閉じる。ウェインはゴードンの唇にゆるく歯を立てた。そして下半身に感じるゴードンのものが、自分のものを押し上げて来るのがわかった。ウェインはその反応が嬉しくて、思わず彼をからかった。
「ゴードン本部長、もう勃ってますよ」
「なっ、!!」
ハハッと白い歯を見せて笑ったウェインはゴードンの赤くなった腕を解放した。結構腰に来ているようだし、今夜に取っておくか──と呑気に考えている間、ゴードンはまた顔を真っ赤に染めて跨っているウェインを力一杯ベッドから押し退けた。豪快にベッドから床に転げ落ちたウェインに今度はゴードンが笑い声をあげた。可愛い人だ。──やっぱり今夜まで取っておくのは止めよう。善は急げだ。ウェインは訳のわからないことを思いながら、下着を脱いだ。