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Something in my heart told me I must have you



*性的表現、生理表現あり

『先生』
空のガラス瓶やら薬品やらを置いている広い教卓。其処に両手を突いている女子生徒の後ろ姿。漆黒のローブの下から覗く靴下を履いた生脚。その脚は少し間を開けて立っていた。女子生徒の媚態に対する己の無愛想な態度に、遂に復讐にやって来たのだ。スネイプはそう考えた。だが一体どんな復讐をしようと?何故私に背中を向けている?彼が歩み寄ろうとすると、その女子生徒は後ろを振り返った。
『スネイプ先生』
息を呑んだ。此方に顔を見せたのはあの女子生徒ではなく、何と学生時代のサラであったのだ。今のように痩せてはおらず、その為に顔立ちが幼く見えた。だがスネイプの名を呼んで見せた表情は大人そのものであり、純粋さを失ったものであった。彼女は尻を僅かに後ろに突き出すと、揶揄うように微笑さえした。夢だ。愚かな、だがこの上なく心を惹かれる夢だ。夢想の中にあっても、今これ程に彼女と共にありたいと訴える事はなかった。波のように、木の葉のように、雲のように己を鼓舞して止まない存在。いつか私はこの激しい恋心に敗れ、人生の茨の上に倒れるのではないか。私は血に塗れ、彼女にも似た自在な奔放な誇り高いものを、時の重荷が縛り付け押し潰すのだ──何という困惑であろう。彼女の所為で眠れぬ夜の数々を過ごした。彼女はこんな私を蔑むであろうか。いや、彼女の心は此処にはおらず、去ろうとしており、軈て何処かへ行ってしまうのだ。
『ねえ、生徒を犯した事ある?』
サラはローブをその場に脱ぎ捨てると、スカートの裾から中へ両手を入れた。するとスネイプの見ている前で下着を下ろし、ローブの上に落とした。彼にとって急に世界が変わったようであった。夢の中でも彼女に会いたいと思っている。やはり私は彼女が恋しいのだ。恋しくて、あの身体に触れたくて堪らないのだ。スネイプの耐えようのない苦しみが急に、生まれてから今まで知らなかったような、度の強い喜びに変わってしまった。もう何をするにも楽々と出来るように彼には思われた。また、現実世界で彼女に再会出来るという確信をすると、恋しさの中にある胸の裂けるような苦痛は少しも感じなくなってしまった。スネイプはサラに歩み寄り、突き出しているスカートに覆われた尻の前に立った。顔立ちからして四学年位であろう。この頃にはもう性行為の経験があるのだろうか。彼は彼女がどんな生徒であったかを想起しようとしたが、此処が夢の中である為に出来なかった。ただ意識が捉えていたのは眼前の身体、サラの身体であった。少女に興味はないが、彼女であれば別である。今のような美しさはないが、何処も彼処も小さい。背も、腰も、尻や肋骨も。処女だろうか。スネイプはふと思った。
『犯したいと思った事は?』
その瞳の中に震え燃え上がる輝き。思わず唇を歪める幸福と興奮の微笑み。その仕草に溢れる、見る目も優美で、正確で、軽やかな風情。性的な言葉がサラの幼い声と相俟ってスネイプの情欲を駆り立てた。犯したい、それはずっと思っている事だ。彼はズボンの前を開け、下着の中から太さを増した性器を取り出した。君の初めては一体誰だ。一体誰にこうして股を開いて誘い、狂わせたのだ。勃ち上がった性器を尻の方へ向け、張り詰めた亀頭がスカートを押し上げるように腰を動かすと、ぷるっとした尻に擦った。目には見えぬが、少女の肉付きの良い白い尻が其処にある。スネイプは教卓の縁に手を添え、サラを腕の中に閉じ込めるようにして立った。君のような可愛らしい女子生徒は、嘸かし男から人気であった筈だ。色んな男から声を掛けられ、甘やかされたであろう。スネイプは二つある丸みの中心、小さな身体に刻まれた一つの深淵へと性器を向けた。尻と腿の裏を通り、そして内腿から茂みへと透明な汁を皮膚に残しながら移動させた。彼は籠った息を吐いた。サラ、と囁いたかも知れない。絶えず腰を揺らしていた為にズボンが膝まで下がっていた。何故私はもっと早くに彼女を愛し、この身体に触れなかったのだ。誰よりも先に──あの男よりも先に己が触れ、奥深くに傷を残していれば良かったのだ。そうしていれば、このような胸の苦しさなど感じなかった筈だ。スネイプが亀頭で割れ目の中の熱された肉を微かに押し上げた時、ぬるっとした感覚が走った。彼自身が出している汁ではなく、もっと大量の、体温を生々と感じるものであった。彼はさっと身体を離し、スカートを捲り上げた。それは血であった。たった今出たような、未だ酸素と交わっていない黒々とした濃い血が、その割れ目から流れ出ていたのである。内腿に数本の赤い線を作り、食い止めている靴下に染みを浴びせている。生理だ。挿れてから血が出れば処女であるが──スネイプは弾かれたように顔を上げた。視線の先、サラが振り返って此方を見ていた。すうっと眼を細め、灰色の虹彩は悪戯に輝いている。私は何も知らない、君の事を。スネイプは血が付着した亀頭を手に収め、陰茎部分にまでその血を延ばすように扱いた。そして空いている左手で彼女の背中を力任せに押し、教卓に俯せにさせた。夢だ、何もかも夢だ。中を指で慣らしもせずに無理矢理に性器を挿れ込んだ。穴は非常に小さかった。血の滑りもありとても入る気配がなかったが、スネイプは狂ったように何度も腰と手を動かした。悪い女だ、こんなにも男を惑わせ正気を失わせるなど、悪い女のする事だ。亀頭がやっとこじ開けたのを感じると、間を開けずにそのまま腰を突き出した。尻を持ち上げるように彼が下方から下半身を上げると、スネイプに対して長さの足りないサラの脚が浮き、爪先だけで地面に立った。乱暴な腰使いに教卓の上に置いてある物が揺れ、音を立てた。人殺しの情動はどうであった、あの男はどんな風に君を抱いたのだ。君は……君は嘸かし嬉しかっただろう。スネイプは教卓から薬品が落ちる音を耳にした。一つ落ちたと思うと、もう一つ、またもう一つと落ちた。間隔を開けて置いていなかったガラス瓶らが衝撃で近付き、鋭い、不愉快な音をも立て始めた。兎も角、この女は美しい!スネイプは虎のような目付きをした。私のものにするのだ、そして逃げてしまおう、逃げ路の邪魔する奴は容赦はしない。この考えはもうずっと前から彼の唯一の仕事となっていた。もう何一つ他の事は考える事は出来ない。一日一日は一時間のように速かに過ぎて行き、何か真面目な事をしようとしても彼は深い夢想に耽ってしまうのである。十五分も経ってふと気が付くと、胸は野心に高鳴り、頭は乱れ、ただ一つの事ばかり考えているのだ──あの女は私を愛しているのだろうか。スネイプは切れた息を整える事をせず、教卓の上に伏しているサラを見下ろした。彼女は彼を見てはいなかった。
『ねえ先生、怒らないで』
『先生、もっと』
『私、悪い女なの。だから酷い事してよ』
スネイプの恋には報われる気配がない為に、彼の立ち居振る舞いもその顔付きも依然として、いやそれ以上に険しいものとなってしまった。彼は心を失うのを恐れながら、サラを恐れながら、彼女の頭を強く掴んだ。駄目だ、私はこんな事をしたいのではない。だがその手は彼女の頭を持ち上げると、勢い良く教卓に殴り付けた。何度も、何度も殴り付けた。それに飽き足らず、空いている方の手では彼女の尻を掴み、真っ赤になるまで叩いては爪を立て、丸い曲線に幾つもの痕を残した。その手は先程彼女の血に触れた手であった為、凡ゆるところに血が付着した。純血、サラの中に流れ、彼女を生き長らえさせている清らかな血。手に付いた血が乾いたのを感じると、彼女の股に手を入れ、再びその血を手に取った。しかしどんな乱暴をされようと彼女は変わらず追い討ちを掛けるようにスネイプを煽るのだった。静かにしろ、美しい声で私の名を呼ぶな。黙っていてくれ、君だけが私の心を掻き乱すのだ。君は私の喜べない喜びと、私には見付かりそうもない栄光をちらつかせる。黙ってくれ、私はもう君の声など聞きたくはない。何故なら君の甘美さは否応なく私を夢想に赴かせ、その足元に平伏させ、崇めさせる結果となるからだ。サラ、君には奥床しさも優しさもありはしない。君は私を慰めるが苦しめもする。君の心は此処にはおらず去ろうとしている。軈て何処かへ行ってしまうのだ。私のところではなく、何処か遠くへ。私は君の心が欲しいのだ。身体ではなく、その心が欲しいのだ……。
『サラ、サラ……サラ、』
私の心から出て行ってくれ。苦しめるのならば、私の心から出て行ってくれ──スネイプは女の名を口にしながら、教卓に突いているサラの小さな手の上に、血に塗れた手を重ねた。

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