僕の体は君しかせない

電車から降りて、住宅街をひたすら早足で抜けていく。私の家と物間の家が見えてきたのに、私、どうしたらいいんだろうってそれしか考えられなかった。
こんな物間見たことない。恐怖が頭を支配していた。
そのまま手前にあった私の家を通り過ぎて、物間の部屋へと連れ込まれる。久々に入ったなあと思ったけど、それどころじゃない。
どさりとベッドに押し倒される。

「……わかってんの?」
「……ごめんなさい」

第一声はそれだった。とにかく謝らなきゃ、という気持ちが先走って、質問の答えとかどうとかよりも謝罪が飛び出す。
彼の更に深くなった眉間の皺が、彼の怒りの大きさを物語っていた。
そういうことじゃなくてさ、と言ったと同時にスカートに手を滑り込ませて、乱暴に私の下着を引きずり下ろした。
ガチャガチャと忙しなくベルトを外す音がやけにうるさく感じた。

「なにするの、ねえ、」

物間、と彼の名前を呼ぶ前に挿入された。
裂かれるような痛みが下腹部とソコに響いて、呻き声をあげることしか出来なかった。

「痛、っあ、抜いて、!」
「ほんとになまえって何もわかってないんだね」
「ごめ、なさ、! 謝るから、っ」

そういうことじゃないんだよ。
彼の声はひたすらに冷たい。
痛みから涙が出てき始めたけど、その痛みすら馬鹿みたいに快感に変わっていって、彼の腰も早まっていく。

「ひい、あ、待って、もうイク……っ」

そう息も絶え絶えにこぼした瞬間、ぴたりと腰の動きが止まる。寸止めされたもどかしさで、勝手に腰が上下に動く。

「ほんと淫乱だね……無理矢理挿れられてんのに何ヨガってんだよ、そうやって爆豪にもしたのかよ」

ぐちゅぐちゅとスローペースに腰が動かされて、きゅんと子宮が疼く。
酷い事言われてるのに。こんなことしてる場合じゃないくらい物間を傷つけちゃったのに。
これくらいで気持ちよくなっちゃってる私はとんだ変態だ。
それでも快感に貪欲になる体は止まらない。
してない、と泣きながら喘ぐばかりしか私にはできなかった。

「あいつのこと下の名前なんかで呼んでさ、! 僕だって名字なのになんなんだよ、お前もあいつも!」

肌のぶつかる音と、悲痛な彼の声。知らない間に、沢山傷つけてたんだ。
ただ喘ぐことしかできない自分が恥ずかしかった。
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