一直線に伸びる光、それこそが道しるべ
レギュラスには、
『素敵な香水をありがとう。早速付けさせて貰ったわ。レギュラスの匂いがして本当に幸せ!
私が送ったネックレスも気に入って貰えたかしら? 貴方こそしっかり付けてね』
そうしたためた手紙をふくろうに渡した。
自分のやりたいことも済んだため、今頃みんなが昼食を食べているであろう大ホールへと向かう。
ホールに着くと、友人の「待ってたよ」の声が耳に届いた。
ごめんなさいと少し笑いながら謝ると、反省していないでしょうと怒られる。
まあ昼食でも食べましょう、と話を逸らしながら席に着くと、皆目の前のご馳走に目を輝かせながらかぶりつく。
私はそんなにお腹が空いていなかった。
何が食べたいとかもなかったし、でも甘い物だけでも口に入れておこう……という雰囲気で、パイを2切れ皿に取り分けてから、紅茶を飲んだ。
「なまえさん、何も食べていないの?」
突然話しかけてきたのは、先ほど初めて話したいつもの友人とは違う生徒だった。
ええ、と私も口を開く。
「あまりお腹が空いていなくて」
ふうん、といったふうに、彼女は肘をつきながら私の顔をまじまじと見つめる。それから、無理しなくていいのよと柔らかく微笑んだ。
無理なんてしていないから平気よ、なんて困ったような笑みを向けて、取り分けておいたパイを齧った。
鼻に手首が近づいた時、ふわりと彼の――レギュラスの匂いが漂った。