01


「あんたもう学校来ないでよ」
――やめて。

「誰もあんたのこと、好きじゃないよ」
――そんなことない、

「死ぬか消えるかしてよ」
――いやだ!!!!

はっ、として目が覚める。
いつの間にか、駅のホームで寝ていたみたいだ。
今から私は、家出する。
別に家族が嫌なわけではない。理由は夢で見たとおり、いじめを受けているからだ。

「なんでこうなったんだろうな……」

どうしてだろう、と丁度着いた電車に乗り込む。
それは半年ほど前――

「ずっとなまえちゃんのことが好きだったんだ!!!」
「え、私……?」

それは、いつもの木曜日の、夕方5時半。
いきなりの告白。
相手は――クラスのリーダー格の子の元彼で。
私は去年アメリカから転校してきたばっかで、彼のこともリーダー格の子も知らなかったのに、
望んで別れたわけじゃないから、私が気に入らなかったのだろう。
毎日陰口を言われ、痛い思いをして。
お気に入りの文具が無くなって、本が破られて。

――もう、耐えられなくなっちゃった。

死のうとしたら、先生に見つかって無理だった。
だから、この街からばいばいする。

「最後に魔法でもなんでも使って、仕返ししたかったな!」

独りの電車で眠い中、ずっとやりたかったことを叫んだ。
そのまま私は、睡魔に吸い込まれていった。
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