ベッドにダイブして、ばたばたと足を上下にばたつかせた。
誰がどう見ても、やらかした。
終わった。
どうにもならない。
はあ――と思いため息をついて、天井を睨みつけた。
考えててもどうにもならないし、昼頃まで二度寝してやろうと決めて、ゆっくりと瞼を閉じた。
「……なまえ? なまえー! もうお昼よ、そろそろ起きなさい」
何度も呼ばれた名前と、ゆさゆさと体を揺さぶられる感覚で目を覚ました。
目の前には、いつ見ても美少女なリリーがどん、と構えている。
美少女を寝起きがけに、それも間近で見れるとはなんと有難い事と拝みながら上体を起こす。
早く行きましょう? と手を引かれ、部屋を出た。
談話室へは別段騒ぐことなく入ったので、殆どの人に気づかれずに中に溶け込んだ。
することもなかったし、あまり長引かせたくなかったので、今朝のことをシリウスに謝っておこうかとあたりを見回した――刹那。
少し派手気味な女生徒とイチャつく、シリウスが視界に飛び込んできた。
え、私のことを好きだって言ったわよね?
そんな疑問を持ちながら、動くことも出来ずに彼を――正確には彼等になるが――見つめ続けた。
彼は気づいてはいないのか、ちゅっちゅっと短いキスを2回、彼女の頬に落とした。
私の足は、既に動き出していた。
「あんた私のこと好きって言った癖に……最ッ低!!
見損なった……!」