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勝己くんがいつも言っている言葉が嘘なのか何なのか、私は知らない。
私は勝己くんではないから。
「うるせぇよブス」
「どけ」
「トロいんだよ」
そんなことを口では言いつつも、毎回振り払ったりはしないから、勝手に安心してた。
お茶子の言う通り、全部天邪鬼な発言で、本心とは違うんだって信じたい。
でも、誰が『本当』だって証明してくれるの?
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「なあ、お前本当に可笑しいぜ」
「……なにが?」
朝、登校。
電車を降りてからの雄英へ向かう道で、避けていたのに、彼と出会ってしまった。
視線も合わせずに、いつものハイテンションではなく落ち込んだ雰囲気に、きっと彼は不審感を抱いているだろう。
予想はできても今更対応を変えるなんて出来ない。
「ずっと俺のこと避けてやがる……ふざけてんのか?」
普段だったら「ふざけてないよ」で済む話なのに、今日の私は酷く苛ついていた。
「……だよ」
「あ?」
「ふざけてんのは勝己くんだよって言ってんの!!!」
私だって考えてるのに。私だって好かれようって必死なのに。
……愛を伝えたくて必死なのに。
いつもいつも傷つけそうな言葉ばっかりじゃん、と堰を切ったように飛び出す。
止めなきゃ、謝らなきゃ、そう考えるほどに反対の言葉ばかりだ。
「なまえ……そんなこと思ってたのかよ」
「……っ、」
「だったらもういいわ、テメェとはお終いだよ」
速すぎるほどのスピードで、私からみるみる遠ざかっていく。
待って、違うと伸ばした手は届かない。
やってしまった。そう分かっていても時間は戻らないし仲直りだってできない。
「求める前に捕まえろ」なんて前の私はよく言ったものだ。
全くそんなことないのに、寧ろ求めまくって困らせているのに。
今更学校に行く気にもなれずに、メッセージアプリでお茶子に連絡をした。
「今日は諸事情あって休みます、先生に伝えておいてね」
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