金のバレッタ:花京院※七人目ネタバレ
2014/12/30 21:04

「よく似合ってる」なんて言われたら手放せないじゃないか。

彼女は鏡を見て心の内に吐き捨てた。花京院からもらった金のバレッタは、あの日からずっと後頭部に鎮座している。それだから、髪型はずっと変わらないままだ。彼女とて年頃の女で、多感な女子高生である。おしゃれもしたければ髪型だって楽しみたい。だのに、その「年頃」故に、髪型を変えられないのだ。

―――もしこれが、他の誰かからのプレゼントだったとしたらどうだろう。ふと、考える。珍しいからと大事にしまっておいたかもしれない。あるいは数あるヘアアクセサリーのうちのひとつとして、気分によって付け替える程度のものにしたかもしれない。やっぱり、肌身離さずになっているのは、花京院だから、なのだろう。あなたがくれたからつけているのよ。あなたが似合うって言ったからつけているのよ。さりげないけれど想っている証拠なのよ。気付いてよ。心の中ではそう主張してしまっている。それがいまは少し悔しかった。





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七人目のスタンド使いいま四周目ですが何度やってもあのプレゼントのイベントはきゅんとします



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