性別男。
身長は168センチ。
好きな人は金色小春。
名前は一氏ユウジ。

そんで幼なじみが1人。

幼稚園生の時から俺のあとをちょこちょこついてきとった名前。一緒に風呂に入ったこともある。喧嘩して泣かしたことも泣かされたことも、まぁ…ある。

そんな名前が急に最近色気づきやがった。姉ちゃんに化粧おそわったり、流行りの服を取り入れるようになったり、かわいらしー靴(ぱんぷす言うんやったっけ?)はくようになったり。

それだけやのうて、なんか、なんか雰囲気でわかるんや!!

絶対好きな男でもできた!!絶対あのアホがこんなんなるっておかしいもん!

という話を部室でしたら、怪しい2人が浮かびあがってきた。

1、白石
「名前ちゃんが?最近よう話かけてくれるけど、そんな気せぇへんけどなぁ…というより前からかわいいやん?」

2、謙也
「名前〜?前からあんな感じやろ。仲いいのかって?まぁ席隣やしなぁ。そこそこやろ」

「だー!!!あかん!!この二人だけはあかんで名前!」
「なんでや!」
「お前らみたいにチャラチャラしたやつに名前を渡せるかー!死なすど!!」

そういうわけで俺は名前の好きな男調査を始めた。後をつけてみたり、仲いい女子聞き込み調査したり。でもどれもこれも満足な結果はでぇへん。

かくなるうえは直接対決や。

「名前、ちょっとここ座りぃ」
「何?」

放課後の教室に呼び出す。部活?うちの部長はええやつなんやで。まぁだからといって名前をあげるかゆうたらそんなことできんけど。

名前のくりっとした目が俺を真っ正面から見る。それだけで胸がきゅっとしまる思いがする。やっぱりなんかおかしいもん!大人の雰囲気でてる!気圧されるな俺!

「名前、お前好きな男がおるんやろ?」
「は、あ!?何をゆうてんねん!」

途端に名前の顔がカッと染まる。この反応間違いない絶対黒や。問題は誰か!誰かや!

「名前ちゃん、好きやで。俺と…エクスタシーしようや」

白石の声色を真似て言えば、ますます名前は顔を紅く染めて俯いた。白石か!白石なんか!

いや、まてまだわからんで…一応謙也も…

「名前!愛してるっちゅー話や!俺と人生駆け抜けてくれへん?」

…泣きそうに眉を寄せ、顔を紅くしとる。なんやなんや…もしかして二股っちゅーやつか!!いや、まさか…尻軽女に成り下がったんちゃうやろうな!嫌な予感に心臓がごつい音をたてる。そんな女に育てた覚えはない。

「名前、好いとーよ」
「名前先輩、好きっす」
「名前、」
「も、もうやめぇや!!!さっきからなんなん!あたしが誰好きでもええやんか!」
「ええことないわ!お前こそさっきから誰の声にも顔真っ赤にして何股しとんねん!」

そういうと名前は何か言いたげに口を開いて、押し黙った。なんやねん…やっぱりそうなんやないか!おれが豆粒みたいに小さい頃から手塩にかけて育ててきたっちゅーのになんやなんや!俺の好みは清楚系やで!まるで小春のような…って小春は一途ではないな…。あかん自分で言ってて悲しなってきたわ。小春も名前も酷いわ…。

目の前の名前は未だに視線を下げて、顔を火照らせとる。言いにくそうにモゴモゴと動く唇を凝視してたことに気づいて、目をそらした。

「なんか言いたいことがあるならハッキリいいや」

「だって……しょうがないやん…誰の声で言うてても、結局言ってるのユウジなんやもん」

だからそんな言い訳を…って……………ん?

「え、は?おまえなにゆうてん…」
「…まだわからん?」

え、ちょっと待って。

俺の幼なじみって………


俺の幼なじみって、こんなかわいかったっけ?


幼馴不染


「ユウジあほやな〜」
「名前が変わったんじゃなくて自分の見る目が変わったっちゅー話やな」


120522


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