真っ赤なトマトが並んだまな板を前にしてプロシュートは今朝の情景を思い浮かべた。
今日はいつもよりも早く起きた五十鈴が雪明かりを伴って菜園に出た。朝食の時間よりも結構早めに起きてしまったかららしい。 彼女は愛用しているジーンズ生地のエプロンを着け籠とハサミを持って菜園に飛び出した。
そしてプロシュートが五十鈴の為に朝食を作りにキッチンに入るや否や、籠一杯に真っ赤なトマトを抱えて挨拶と共に雪崩れ込み一言。
『ペンネ・アラビアータが食べたいです!』
そう言った彼女にさっさと学校行く準備をしろと急かしながら籠を受け取った。籠の中には赤く綺麗に熟れたトマトが沢山。 朝食をテーブルに並べながら頭の中で材料の確認をする。
同居人で、五十鈴曰く《パートナー》だと公言して止まない彼女はプロシュートの料理が好きらしい。 五十鈴が食事を作る暇がとれない時にプロシュートが軽食を作った。彼女はそれが大層気に入って、あれよあれよと言う内に食事作りが当番制になっていた。 合法的にプロシュートの手料理を食べられるようになった五十鈴は今朝のように堂々とリクエストを出してくる。
『ペンネが無いから帰りに買ってきな、お嬢ちゃん』
イチゴジャムがたっぷり乗ったトーストにかじりついている五十鈴にお使いを頼めば、花が咲いたように笑った。 家を出る時も『楽しみにしています』と言われて満更でもない。
すっかり五十鈴に良いようになっているが、嫌ではないと思う時点で自分は相当イカれてる。
プロシュート母さん!アラビアータが食べたいよ! 猫みたいに警戒してても何だかんだと夢主にほだされればいいよ! てゆーかプロシュートさんって、いくつくらいなんだろう リーダーと同世代か?縁の印象的にリーダーよりかは年下な気がする
プロシュート番外
2014/10/06 23:28 ( 0 )
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