Clap




グリルパルツァー「接吻」を土台に。
額の上なら友情のキス【渡殊】

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やっぱり、料理とかできる男って、ポイント高いよな。
唐突にそう切り出されたのが今朝、偶然会ったときのこと。
まぁねぇ、と曖昧な返事を返した気がする。

ていうか、なんのポイント?
肝心な質問は聞くタイミングを失って、曖昧に浮いてしまっている。
それを追うように顔を上げて、渡瀬はここが調理室なのだと改めて確認した。

「……よく借りられたな」
「先生の手伝いしたから」

なるほど、優等生は得だ。
自分だったら「ラブホテルじゃないんだぞ」とか言われているところだ。
大いにあり得るし、実際調理室を借りてすることといったら、
有意義なものはそれくらいしか思い付かない。

「で、何しようとしてんの?」

まさか、ラブホ…と邪推した渡瀬は、殊の答えに呆気にとられてしまった。

「今度クラスの人たちで集まって、レク?やるんだけど」
「あー、終業式のあととかのやつ」
「うちのクラス調理室借りることになって、
あ、料理つくるのは女子と男子半々なんだけど、
俺もさりげなく手伝いとかできたら…
ね!ポイント高い感じじゃない?」

ポイントねぇ。
わかりやすく眉をひそめたつもりだったが、殊には伝わらなかったらしい。
まぁ、つまりあれだろう。友達をつくろう作戦の最中なんだろう。

殊は、どうにも引っ込み思案というか、
自信がない体質が邪魔をして友達がうまくつくれないのだという。
頼りにしてくれるのはまぁ良いが、当の計画がこんな回りくどい方法でいいのか…
何か助言を与えてやろうにも殊はすでに乗り気だった。

「けど、寮の部屋にも簡易キッチンみたいなのあるだろ」
「だって、調理室借りたほうが実践的だろ?」

まぁ、そうだけども。まさか毎日借りるつもりか?
若干の不安をよそに、用意した食材を広げ、
調理道具を物色しはじめた殊にはもう何も言わなかった。


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