捧げもの | ナノ

新年会でどんちゃんどんちゃん!!!


『あけましておめでとうございマンモス!!!!』
「…新年初っ端からしらけるようなギャグを言うのは止めて貰えるかいちひろ。」
『むっ失礼なヤツだ、せっかく私が祝いの席を盛り上げてやってるというのに!!』

グイッとお酒を飲むお猪口にオレンジジュースをママンに注いでもらい、私はそれをグイッと飲み干す。
周りはそれに対しておおおおおだの、すげぇぇぇだの、あの子飲んでるのジュースじゃない?だの、十代目ッ絶対そうですよ!!だの、すげーのなだの、うるせーなエスプレッソよこせ俺はヒットマンだ赤ん坊じゃねーんだ、ミルクなんか出して来たらぶっ殺すぞだの、りぼーんちね!!だの、クフフだの、骸様ジュースじゃなくてチョコレート飲んでる…だの、咬み殺すだのうるさいこと極まりないこの面子。

誰が誰だかわかるだろうか、いや分かりたくもないなぜならもううざいから―――「うるさいのは君だよ、酔ってんの?」
『禿げろチキン』

去年同様、我が家の並盛神社でお守りを売りながらママンの餅を食っていたらこのざまだ。
『こんな大人数で初詣に来たとかもうとんでもないね!!!これから未来編が進んでいくから来年はもっと大人数なんだろうね!!!』
「それ、ネタバレじゃないですか、しっかりしてくださいよちひろさん。」

おっとなんのことかな、知らないなそんなことネタバレっておいしいの?ママンの砂糖醤油の餅はおいしいよ、いと美味なり!!!!
「残念だったね草壁、今年は管理人が受験生だからあんまり更新はできないらしいよ。最近も無かったけど」
『ブッフゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!何だよ私の出番は?!?主人公の出番はないの?!』


聞いてないよそんなこと!!!と文句を言えば周りからブーイングが巻き起こる。
とくに一番うるさいのは現在登場話数が百話越えのうちのたったの六話しか出ていないというパイナポー・チョコレイトン氏。そしてその取り巻き三名。一人だけ大人しいけど、悲しそうな顔をしている。

『………乙』

お疲れ、を略すまでも無い、心からの言葉を投げかけてやれば彼らは静かになった。

「本当、咬み殺してやりたいよ」

思い思いの宴が目の前で繰り広げられる中、ぼっちで少し寂しそうだなYOU!!!を見つけたのでおせちを三段ほど手土産に持って縁側へ移動。
言うまでもない、自称狼子供ならぬ一匹狼、またの名を友達のいないぼっち。

『大丈夫だよ…また今年も友達が作れなくても……私が傍に…いるから。私はあなたの…マァァァァイ フレンドゥ』
「何言ってんのこの人。」

冷めた目でかまぼこを突っつき始めるヒバリはやっぱりお腹がすいていたんだなと思わせる。餌付けだよなぁコレ。
ちょっと売り出せるんじゃない本か何かで。“実録!!!ヒバリの飼育の仕方!!!手のかかるヒバリが貴方の愛の餌付けによって未来が…変わる!!!”

『……イケる!!!!』「いけないよ」

さいですか、と大きなあくびをすれば、ヒバリは待ちわびていたかのように箸でつまんだ栗きんとんを私の口の中へと放り込んだ。

『んんんんん?!?!?!』

予想外の事に驚きを隠せず、頑張って咀嚼し飲み込む。なんてことしやがるんだこのチキンは

「味は」
『……うんまい』
「そうかい」

追加で彼はまた栗きんとんを私の口に入れる。私の方もまた来るか、と身構えていたため、むせることは無かった。
あり?でもなんだこれは。口を動かしながら考える。おいしい、おいしいけどなんかいつものママンの味と違うぞ!!朝食べた栗きんとんの甘さも中々私を惹きつけるような味だったが、これはあっさりとした甘さでそれでいてしつこくなく濃厚。

『ふむ、おいしい。ママン味付け変えたんかな』
「……さぁね」

こいつが妙な間を付けるときは何か気付いてほしい時だ。何だよ何が言いたいの?まさか栗きんとんヒバリが作ったんじゃないだろうな、料理できんのチキン。

「僕を餌付けで懐かせようなんて無理だろうけど」

『懐かせようなんざしたことねーよ、大体ヒバリがこの家に来てんだろーが』

「でもちひろなら」

また栗きんとんを箸で運び、今度は自分の口に含ませる。

「僕が餌付けして、懐いた。」
『あれ?過去形?おかしいな』

話の流れ的に、懐かせてあげるよ――みたいな感じになるのかと思ったんだけど。


「実際そうでしょ、ほら折角作ったんだ。栗きんとん食べろ」
『わぉー今度は命令形ですかチキン鍋さーん、やっぱりヒバリが作ったんかい。栗だけじゃなくてしょっぱいの食べたい。』
「ダメだよ、君は僕の栗きんとんを食べる義務がある。」
『クッ…チキンの膝の上に乗ってあげるから、かまぼこ欲しい!!!』
「しょうがないな、等価交換だよ」

その様子をすすだらけになっているキッチンを掃除していたママンは知る由もなかった――――

『因みにヒバリ、何回目で栗きんとんは成功したの?』
「」


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