サンタさんとサタンさんの仲介役は…めりーくりすます!!@
『サンタさーん、サタンさーん、サタンタさーんはっ愉快だなっー』
「…何してんの、ちひろ」
十二月――の二十四日
この並盛町にもそろそろ雪が本格的に降り積もりだす、季節。
そして今日は町中の子供たちが、うきうきわくわくしながら明日という希望を待ちわびる、中間地点。
そう…クリスマスイヴぅぅぅぅぅうううううっふぅ〜!!!
地主である私も、まぁ子供っつーことで、うきうきわくわくがとまらないゾ!!
欲望に忠実になっちゃうゾ☆…うわっきもっなんて言ったら殴っちゃうゾ!!
と、いうことで神社をクリスマスVerにするために、飾り付けをしているのであります!!
『見てわかんねーのか、ローストチキンにすんぞ』
「いや、そうじゃなくて」
私服で私の家(神社)を見る彼。
風紀の仕事は今日はなかったようだ。
「神社をクリスマスカラーにする意味がわからない。」
しかも風紀委員を総動員して、と。
そう見ての通り、いや文章だからわかんないな。赤ではなく黒服をきたおっさん達が雪が降る中、せっせと神社の外装にペンキをぺたぺたと塗っている。
『うむ、では今の時刻を言ってみろヒバリ軍曹。わっとぅたいむいずいっとぅなう?』
「…八時三十二分」
『そう、サタンタさんが来るまで時間がない!!いちはやくサタンタさんが私の所へ来てプレゼントを落としにくるようにするには家自体を目立つようにするしかなかろう!!おっとこうしている間に貴重な時間が刻々と迫ってきている。ヒバリはてきとーに家の中でまって……へくしっ!!』
風邪でもひいたかな、まぁでもサタンタさんのためなら背に腹はかえられん。
二、三度ブルっと体が震えたので、手袋の二重装備を三重装備にすれば、フワッと首に何かが巻かれた。
何だ、無駄にあったかいぞ。
「ムダとか言わないでくれるかい」
ギュッと首の後ろで結ばれる、それ――ヒバリのつけていた黒いマフラーだ。
「馬鹿につける薬はない、とか馬鹿は風邪ひかない、とか言うけど、何かするに越したことはないからね。」
ポンっと背中を押された。
“行ってこい”という事なのだろう。
『せんきゅーひばりん!!youにサタンタさんのご加護を!!』
彼にお礼を言って走り出し、私は再び神社にペンキを塗り始める。
『あってめっ、そこは赤色だって言ってんだろーが!!!何でピンクなんだよ』
「す、すみませんちひろさん。俺、女の子はピンクが好きだと思って。」
『黙れェェェェ!!お前の頭ん中がピンクなだけだろ?!知ってんだぞ、お前に彼女できたの!!このリア充めが!!』
「あっちひろさん!!ちょ…ペンキ投げないで…あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
『うおおおお!!!』「ギィヤァァ!!!」「助けっ…がはっ!!」
ドゴォォォォン!!
「……。」
事の一部始終を見ていたヒバリは、彼女が真っ先に呼び出しただろうフランスパンの彼を探すことにしたのだった。