086 寝ている間って何されるかわかんない。
ドクンッ…ドクンッ…
暗闇の中から聞こえてくる、音。 その音と共に、耳からじんわりとぬくもりが体中に伝わってくる。温かい。
その温度に、安堵している自分がいて、その温かさが欲しいと、自らの体を右の方へと摺り寄せた。
………あり、何か全然あったかくないんですけど。シャカシャカした感触が…ん?
パチッ
『…なんじゃこりゃ』
目の前にあるのは、鶯色の何か。 もう一度言おうか。
なんじゃこりゃ。
そう思う刹那、ぬっとその何かが急に近づいてきて、頭に温かいのがあたる。 手…のひら、のようだ。なんだか知らんが、五本の棒的な何かが頭にあたっている。コレ完全指だろ。
一体誰がこんなことを。…ハッなに、思いつく奴ァ一人しかいねェよ。
『おいコルァ、チキン。』 「……何」
明らか寝不足不機嫌、といった声で力をゆるめるヒバリ。 何ってどーいうこった。私が言いてェよ、んなもん。
『起きろコルァ、いいか、目を覚ませチキンボーイ!!ここは私の部屋、私の布団、そして私の領域と書いてテリトリーと読む!!』
「寝ぼけてるのはちひろの方でしょ。ここは僕の部屋、僕の布団だよ……ああ、もうこんな時間か。」
おお、そういや十年後の世界に来たんだっけか。すっかり忘れてた、まぁでも布団の匂いが違うからそうだとは思っていたんだぜ!!本当だよ!!(多分)
………と、いうことは私はまた寝落ちをしてしまったと…ハッ!!
『ばかやろうだな、普通私が寝たら私の布団に寝かせるもんだろ―が!!挙句の果てに何でテメーまで一緒になって寝てんだよ』 「君の部屋だからね、この布団もちひろのだけど。」
おっとォ、ついにヒバリも人の言葉を忘れてしまったか。
ユーアーストレンジャーボーイ!!
「ユーアークレイジー」 『何をォォォォォォ!!!!』
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