073 やっぱり寝るときには布団と枕と抱き枕が必須。
ドゴォォォォン!!!
「……何やってるの、君。」
『いやーひばりんなら受け止めてくれると信じていたのさ、I believe!!』
「バカだね。」
大きな音と、土煙の中から姿を現したのは
ムッと眉をひそめているヒバリとそんな彼と相反する表情のちひろの姿。
どうやら彼女の落ちてくる数秒の間に、ヒバリは彼女をギリギリキャッチ。
しかし彼女の圧力、というよりは体重(幣を含む)を全身で受け止めたため、地面はその重さに耐えきれず凹み、土煙がでてしまったという。(リボーン後日談)
「まったく、落ちるんなら落ちると言ってくれればよかったのに。そしたら校庭が傷つくことも無かった。君の銀行の口座から修理費をやっぱり引き出しておくよ」
『んなもん言えるわけねーだろ!!文句と修理費はチェルベッロに言えよ!!私は言いません、私は悪くないもん、つーか殺されかけた、そして私はフェミニストだから!!!』
「質問は受け付けません、従わなければ失格となります。」
『ほら見ろ……え?』
「……。」
黙ったヒバリ。
おいおい、急にどうしちまったんだい?ハッ…まさか電池が切れてしまったとか…
いやまて、そもそもヒバリは電池で動いてたんだっけ。アレ?人間って電池で動くもんだったっけ?
そうなれば私も電池で動いているということに…おっとォ生まれてこのかた電池の取り換えなんてしたこと無いぞ。このままでいいのかな。ヒバリも10数年間取り替えて無かったからこんな事に…?
いや、そんなことを考えている間に時間は過ぎて行ってしまう。早く電池を買いにスーパーへと走らなければ!!
ん?そもそも電池を取り替えるとして何の電池を入れればいいんだ。オーソドックス…いや、オードソックスに単四を入れるべきか。いや待て、確かwiiのリモコンの電池は単三だったハズ。
しかし昔理科の豆電球の実験をしたときに使ったのは単一だった。しかしその数か月後に行ったソーラーカーの実験ではソーラー電池を…!!!
そういやたまごっちではボタン電池を入れ替えてたな、アレなら百均でも買えるしお得じゃないか!!
よし早速並盛百貨店に行って買占めに行かなければ…
レッツ・パーリィィィィィ!!!
ドゴッ!!!
「いい病院を紹介するけど、今から行くかい?僕も一緒について行ってあげるよ」
『何でいつもよりちょっと優しくなってんの?!』
「ああ、精神科を手配しておいてあげるよ。」
『ウルセェェェェ!!!いつもより優しい言葉にちょっと涙が出そうだろーがァァァァ』
「あ、ホントに涙目になってる!!」
ダメツナは黙ってろよ!!
ブオンッと幣を振り上げれば、チェルベッロ達二人がかりで動きを封じられてしまう。
何?これから戦いが始まるからおとなしくしてろ?もういいじゃん、向こうの勝ちで。ダメツナがうざいから不戦勝でいいんじゃない?
そんなことをボソリと口にだせば、地面に下ろされズルズルと引きずられる私の体。
あー痛い痛い、襟をつかまんといて―
『あっ、ちょっとまてーヒバリン―――!!!』
「…?」
地面に尻を引きずりながら、いてっ小石当たった、彼の名を呼べば、クルリと丸い頭が振り返った。
グッと、その正面に幣を向けてやる。
シャラリ、と心地よい音がなった。
『―――――行ってこい!!!』 「……うん。」
笑顔にも渋い顔にもならず、ただちょっとだけ口角を上げて返事をした彼は、前を向いて立ち去って行く。
ただ、それだけで何となくだが、私は嬉しくなった。
途中、チラリと横目でこちらに視線をむけたような気がしたが、気のせいだろう。
今回私の出来ることは、背中を押してしっかりと見送ることだけ。
勝てとも、頑張れとも、言っていない。
後は全部、ヒバリ次第だから。
だから、
帰ってくるのを、待っててやるよ。
―――ヒバリ
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